湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
クレジットカードの支払日に間に合わないと判明した時に、最も重要なのは、放置しないことです。
ここでは、クレジットカードの支払いが困難になった時に、状況に応じた最適な対処法を順を追って解説します。
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支払いができないとわかった時点で優先すべき行動は、カード会社への連絡です。
「怒られるのではないか」「カードを止められるのではないか」と不安になる気持ちは分かりますが、電話一本でその後の展開が大きく変わります。
カード会社が最も恐れるのは、連絡が取れなくなることです。
事前に「払う意思はあるが、事情があって難しい」と正直に伝えることで、悪質な滞納者ではないと判断され、心証が全く異なります。
支払日の前日(あるいは数日前)がベストです。支払い方法の変更など、取れる選択肢が多いためです。もし支払日を過ぎてしまっても、気づいた時点ですぐに連絡してください。
カード会社(JCBや三井住友カードなど)も、相談に応じる窓口を設けています。事情を説明することで、以下のような対応を検討してもらえる可能性があるでしょう。
カード会社への連絡と並行し、今すぐ会員専用ページで確認すべきことが2つあります。
多くのカードでは、「一括払い」を後から「リボ払い」や「分割払い」に変更できるサービスがあります。
この変更期限は、支払日よりも早く設定されていることが一般的です。もし期限内であれば、ひとまずリボ払いに変更して当座をしのぐ、という選択肢が取れます。
支払日当日でも、入金が間に合うケースがあります。銀行によって、早朝に引き落とされる場合もあれば、同日の午後にもう一度引き落としがかかる(再振替)場合もあります(三井住友カードの例など)。
自分が利用している金融機関の引き落とし時間を確認し、もし間に合うなら急いで入金しましょう。
焦っている時ほど、危険な近道に手を出したくなるものです。
以下の3つの行動は、事態を根本的に悪化させるため、絶対に避けてください。
「そのうち払えるだろう」「電話が怖い」と放置するのが最悪の選択です。電話や郵便物を無視しても、請求が止まることはありません。
むしろ、遅延損害金が日割りで加算され続け、短期間でカード利用停止、信用情報への傷(ブラックリスト入り)と、自動的に事態は悪化していきます。
「即日現金化」を謳う業者を使い、カードのショッピング枠で価値のない商品を買わせ、手数料を引いた現金を振り込ませる手口です。
これはカード会社の利用規約で明確に禁止されています。発覚すればカードの強制解約になるだけでなく、法外な手数料(実質的な高金利)を取られ、詐欺などの犯罪に巻き込まれるリスクもあるでしょう。
「審査なし」「即日融資」といった甘い言葉でSNSやネット上に潜むのが、闇金や個人間融資です。法外な金利を請求されるだけでなく、過酷な取り立て、個人情報の悪用をしてくる犯罪者です。
もし払わなかったらどうなるのでしょうか。滞納後に起こる流れを、時系列に沿って解説します。
支払日に引き落としが確認できないと、早ければ当日、遅くとも2〜3日以内にカード会社から連絡が来ます。最初は「うっかり入金を忘れていませんか?」という確認のトーンです。
この段階で「すみません、忘れていました!すぐ入金します」と対応し、実際に入金すれば、まだ大きな問題にはなりにくいです。しかし、この最初の連絡を無視すると、事態は次のステージに進みます。
支払日の翌日から、あなたの債務には、遅延損害金というペナルティが加算され始めます。これは1日単位で発生する、非常に重い利息です。
返済が遅れたことに対する損害賠償金です。利率はショッピング利用の場合は年利14.6%、キャッシング利用の場合は20%程度が上限です。
例えば、10万円の支払いを年利20%で滞納した場合、 100,000円 × 0.20 ÷ 365日 = 約55円/日 たった1日でも約55円、1ヶ月(30日)放置すれば約1,650円が、本来の支払額に上乗せされます。
最初の連絡を無視し、入金もしないままでいると、数日でそのクレジットカードは利用停止になります。支払いが確認できるまで、文字通り「ただのプラスチックの板」になってしまうでしょう。
ここで注意したいのが、公共料金やサブスクリプションサービスの支払いです。カードが停止するとこれらの引き落としも全てストップし、電気やガス、携帯電話まで止まる二次災害につながります。
電話やメールを無視し続けると、カード会社は書面での督促に切り替え、督促状や催告書と記載された封筒が自宅に届くようになります。
書面のトーンも「ご確認ください」といった事務的なものから、「至急お支払いください」「法的措置を検討します」といった強い文面に変わっていきます。この段階で、家族に滞納の事実が知られるリスクが一気に高まるでしょう。
滞納が61日以上または3ヶ月以上に達すると、あなたの信用情報に異動情報が登録されます。これがいわゆるブラックリストに載るという状態です。
信用情報機関(CIC、JICC、KSCなど)は、個人のローンやクレジットの利用履歴を管理する機関です。
ここに異動情報が載ると、最低でも5年、長い場合は10年間、あなたの社会的な信用は著しく低下します。
ブラックリスト入りと前後して、カード会社から「強制解約通知」が届きます。これ以上あなたと契約を続けることはできませんという最終通告です。
さらに、「期限の利益の喪失」です。
これは「分割払いやリボ払いにするという約束(期限の利益)を、あなたは破ったので、残っている借金(残債)を今すぐ全額一括で返済してください」という要求です。
月々の支払いですら困難だったのに、数十万、数百万円の一括請求に応じるのは、ほぼ不可能でしょう。
一括請求にも応じないと、カード会社(あるいは債権回収会社)は法的措置、つまり裁判に移ります。
裁判所から、支払督促申立や訴状といった、これまでとは重みの違う書類が届くでしょう。
これを無視したり、裁判で敗訴が確定したりしても支払わなければ、最終的に行われるのが、差し押さえ(強制執行)です。
差し押さえの対象は大きく分けて、給与と預金口座の2つです。
給与は会社に裁判所から通知が届き、あなたの手取り給与の一部(原則4分の1まで)が、毎月強制的に天引きされます。
当然、会社にも借金トラブルが知られるでしょう。預金口座はあなた名義の銀行口座が差し押さえられ、その時点の残高が強制的に引き出されます。
もし「来月の給料日なら払える」「あと数万円足りないだけ」という一時的な状況であれば、まずは自力での解決を試みましょう。
借りる以外の方法で、今を乗り切るアイデアを紹介します。
これが最も低リスクで王道の方法です。滞納する前に、払う意思を示しましょう。
ただ「払えません」ではなく、「いつまでに」「いくらなら」払えるかを具体的に提示しましょう。
例:「今月は3万円しか払えませんが、来月の給料日に残りを必ず払います」
カード会社が提案してくる、あるいは会員ページで変更できるのが、リボ払い・分割払いへの変更です。
リボ払いは、利用額に関わらず毎月の支払額がほぼ一定になる仕組みですが、その分、元金がなかなか減りません。
高い金利(年15%程度)が「まだ返済していない元金全体」にかかり続けるため、気づかないうちに借金が膨れ上がる危険性があります。
入金は、何も稼ぐだけではありません。家にあるモノを現金に変えるのも立派な対処法です。
不用品をフリマアプリ(メルカリ、ラクマ)、リサイクルショップ、専門の買取店などで売却して、現金化しましょう。
ブランド品、ゲーム機、最新のスマートフォン、金券(商品券、ギフトカード)などといった即金性が高いものがおすすめです。
また生命保険の「契約者貸付」 解約返戻金があるタイプの生命保険に加入している場合、その一部を低金利で借りられる、契約者貸付制度が使えるか確認してみましょう。
「即日払い」「週払い」の日雇いや単発バイトの仕事を探せば、数日以内に確実に現金が手に入ります。
またライティングやデザインなど、スキルがあるならクラウドソーシングサイトで短期の仕事を受注するのも手です。
会社員の場合は就業規則を確認し、もし給与の前借り(前給)制度があれば、上司や人事に相談してみましょう。
本業がある方は、会社の副業規定に違反しないか、必ず確認してから行動してください。
根本的な家計の見直し
「一時的に払えない」が続いているなら、それは根本的に家計が赤字なのかもしれません。
なぜ苦しくなったのか原因を分析しましょう。また家賃、スマホ代、保険、使っていないサブスクリプションを見直し、固定費を削減することも重要です。
さらに外食を減らして自炊し、交際費に上限を設ける。などと言った変動費の削減にも努めましょう。
借金に頼る前に、自力でできることはないか徹底的に洗い出しましょう。
どうしても支払いに必要な現金が工面できない。そんな時は、「一時的に他から借りて立て替える」という選択肢も考えなければなりません。
お金を借りる前に、以下を考えてみてください。
一時的な対処であり、根本的な解決ではありません。返済の目処が立たないまま借りれば、状況は確実に悪化します。
テレビCMなどでも知られる消費者金融(アコム、プロミス、アイフルなど)のカードローンは、緊急時の選択肢の一つです。
消費者金融などの貸金業者は、総量規制という法律の対象です。これは「年収の3分の1までしか貸し付けてはいけない」というルールです。
すでに他社で借入がある場合、希望額を借りられない可能性があります。
メガバンクやネット銀行などが提供するカードローンです。
銀行のカードローンは金利が消費者金融より低い傾向にあり、総じて上限金利が低め(年14.5%程度など)に設定されています。
一方審査は慎重に行われ、即日融資は不可能です。支払日まで数日の猶予がある場合に検討できるでしょう。
今持っているクレジットカードに、キャッシング枠が付帯していれば、それを利用して現金を借りる方法もあります。
キャッシング枠を使えば、枠が残っている限り、新たな審査なしでATMからすぐ現金を引き出せます。一方ショッピング枠の金利より高く設定されている(年18.0%など)ことが一般的です。
おまとめローンは有効か?
すでに対象のクレジットカード以外にも複数の借入があり、返済が苦しい場合は「おまとめローン」も選択肢になります。
これは、複数の借金を一本化するローンです。
おまとめローンによって金利が現在の借入先より下がれば、月々の返済額や総支払額を減らせる可能性があります。返済日が月1回になり、管理が楽になるでしょう。
一方、審査は厳しく、必ずしも今より金利が下がるとは限りません。場合によっては返済期間が延び、総支払額が増えるケースもあります。
もし借りるという決断をするなら、明確な返済計画を持ちましょう。
借入が「その場しのぎ」に過ぎないことを自覚した上で、慎重に行動してください。
自力での金策や一時的な借入の方法を試しても、どうにもならない。借金総額が多すぎる、あるいは失業などで収入がなく、返済の目処が全く立たない…。
もしあなたが今そういう状況なら、債務整理を考えましょう。借金問題に苦しむ人を救済するために国が認めた、合法的な手続きです。
以下の項目に一つでも当てはまるなら、自力での解決は困難な可能性が高く、専門家への相談を強く推奨します。
債務整理とは、弁護士や司法書士の力を借りて、カード会社などの債権者と交渉したり、裁判所の手続きを使ったりして、借金を減額または免除してもらう手続きの総称です。
借金を踏み倒すといったネガティブなものではなく、返済不能になった人を経済的に立ち直らせるための、国が認めたセーフティーネットです。
滞納を2〜3ヶ月放置すれば、ブラックリストには載ってしまいます。一人で悩み、放置して事態を悪化させる前に、まずは弁護士や司法書士の無料相談を利用してください。
専門家が依頼を受けると、各カード会社に「受任通知」という書類を送付します。これを受け取った業者は、法律上、直接電話や郵便物で督促することが禁止されるでしょう。
あなたの借金総額、収入、財産状況に応じて、後述する3つの方法のうち、どれがベストか(あるいは債務整理すべきでないか)を客観的に判断してくれます。
債務整理には、主に3つの方法があります。
利息が高くて返済が進まない人、安定した収入がある人に向いています。
借金は高額だが、家や車など手放したくない財産がある人に向いています。
収入がない、または著しく低く、返済の目処が全く立たない人に向いています。
債務整理後の生活はどうなる?
それでは債務整理後の生活はどうなるのでしょうか?
ブラックリストに関しては、5〜10年で情報は消去されます。その後は再びクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることも可能です。
またあなたが債務整理しても、家族の信用情報には傷はつきません。就職や結婚で不利になることも基本的にはないでしょう。
また官報に載るとのことですが、官報を日常的にチェックしている一般の人はまずいません。ここから周囲に知られるリスクは非常に低いです。
自力で返済できないほどの借金を抱えてしまった場合、根本的な解決には「債務整理」が最善の道です。一人で抱え込まず、まずは専門家に無料相談をしましょう。
クレジットカードの支払いができないと気づいた時、まずはカード会社に「支払いが難しい」と一本連絡を入れてください。
もし連絡を怠り支払いを放置すれば、事態は自動的に悪化します。遅延損害金が日々加算され、カードは利用停止になり、やがては信用情報に傷がつきます。
最終的には、給与や財産の差し押さえという最悪の事態にも発展しかねません。
しかし、「返済のために借金をしている」「借金総額が多すぎる」といった根本的な返済困難な状況であれば、デメリットを恐れずに債務整理という法的な解決策を検討すべきです。
それは人生の終わりではなく、借金から解放され再スタートを切るための国が認めた制度です。