湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
今あなたがお使いのスマートフォン。その「契約名義」はどなたになっていますか?
もし「親です」「妻です」「夫です」と、自分以外の家族の名前を答えたなら、少し注意が必要です。
本コンテンツは誰モバ事務局が独自の基準に基づき制作しております。ECサイト、メーカー、キャリア等から送客手数料を受領しています。このページにはPRリンクが含まれております。
成人して自分で料金を支払っていても、契約名義だけが親のまま。そんな人は決して珍しくありません。
「格安SIM(ahamoやpovoなど)に乗り換えようとしたら、名義が違うと断られた」
「オンラインでプラン変更したいだけなのに、契約者本人じゃないと弾かれる」
「機種変更はできても、貯まるポイントが全部親のほうに入っていて損した気分…」
こんな面倒を感じたことはありませんか? これらはすべて、あなたのスマホが、家族名義であることから生じている問題です。
かつて携帯電話の契約は複雑で、未成年はもちろん、学生の場合は親名義で契約するのが当たり前でした。
また、家族割を組むためには、代表者である親が一括で契約・支払いを行うものだ、という誤解も根強くありました。
その結果、成人し、就職し、あるいは結婚した後も、名義変更の手続きが面倒で、そのまま何年も使い続けてしまっているケースが非常に多いのです。
しかし、スマホがただの電話から、決済、本人認証、ポイント経済圏の中心となった今、この「名義が違う」という状態が、あなたの金銭的な機会損失や、法的なリスクに直結するようになってきています。
あなたが家族名義のスマホを使い続けている理由は、おそらく以下のどれかに当てはまるはずです。
これが最も多いパターンです。10代の頃に親が契約してくれたスマホを、成人した後も「特に困っていないから」と、そのまま使い続けているケース。
料金は自分で親に渡しているか、自分の口座から引き落とされているかもしれません。しかし、契約者だけが親のままなのです。
過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞したり、あるいは携帯電話料金の滞納を繰り返したりしたことで、信用情報(いわゆるブラックリスト)に傷がつき、自分名義での審査に通らなかった。
そのため、家族にお願いして契約してもらった、というケースです。
「家族割を適用するには、支払いを親(代表回線)にまとめる必要がある」と思い込んでいるケース。
しかし現在、ほとんどのキャリアでは、名義が別々でも、支払いが別々でも家族割自体は組むことができます。この勘違いによって、名義変更の必要性を感じていない人もいるでしょう。
ここで、多くの方が勘違いしている最大のポイントを指摘します。 「自分はショップで『利用者登録』をしているから大丈夫だ」 これは、全くの間違いです。
キャリア(ドコモやau、ソフトバンクなど)が用意している「利用者登録」制度は、あくまで「この電話番号を、実際に使うのはこの人(例えば息子さん)ですよ」とキャリアに申告するだけの手続きに過ぎません。
法的な権利と義務は、すべて契約者である家族(親)にあります。
これらすべての権利と義務は、利用者であるあなたではなく、契約者である親が負っています。
法的には「親が契約したスマホを、あなたが又貸ししてもらっている」という「借り物」の状態です。
「特に困っていないから」と、家族名義のスマホを使い続けていませんか? その放置が、積もり積もって大きな損とリスクになっているかもしれません。
まず、日常のあらゆる場面で「契約者本人ではない」という壁にぶつかります。
プラン変更・オプション追加・修理依頼 これらすべて、契約者である家族(親など)の許可や、ショップへの同行、または委任状が必要になるでしょう。
eSIMの発行やプラン変更など、便利なオンライン手続きも、最後の本人確認(eKYC)で契約者情報と一致せず、先に進めません。
最悪なのが、スマホを落とした時。回線の緊急停止すら、あなた自身では即座に行えません。
ちょっとした手続きのたびに家族に連絡する手間と精神的ストレスは、想像以上に大きいものです。
現在、ahamo、povo、LINEMOといった安価で高品質なオンライン専用プランや、魅力的な格安SIM(MVNO)が溢れています。
しかし、あなたが「乗り換えたい!」と思っても、契約名義が違えばMNP(番号そのまま乗り換え)は100%できません。
MNP予約番号の発行も、新キャリアでの契約も、すべて契約者本人が行う必要があるからです。
毎月の利用料金に応じて貯まるdポイント、Ponta、PayPayポイント(ソフトバンク/ワイモバイル連携)などは、すべて契約者(家族)のアカウントに貯まっています。
あなたが毎月1万円支払っていたとしても、そのポイントは親が使っている。
利用料金は自分が払っているのに、ポイントは親が使うという、理不尽な状態を受け入れ続けることになります。
iPhoneなどの高価なスマホ本体を分割払い(割賦契約)で買うことは、れっきとしたローン契約です。この支払いを毎月きっちり行うことで、あなたの信用情報(クレヒス)が育っていきます。
しかし、家族名義では、その信用実績はすべて契約者である家族のもの。あなたは、支払いをしているにも関わらず、信用情報が全く育たない「スーパーホワイト」状態のまま。
将来、クレジットカードを作ったり、車や家のローンを組んだりする際、「この人(あなた)は信用できる実績が何もない」と判断され、審査に悪影響が出る可能性があります。
あなたの意思とは無関係なところで、スマホが使えなくなるリスクもあります。
自分が料金を滞納した場合 あなたが支払いを忘れると、契約者である家族の信用情報に傷がつくでしょう。
逆に、契約者である家族があなたの分も含め料金を滞納した場合、ある日突然、あなたのスマホが止まります。
万が一、契約者である家族が借金などで、差し押さえを受ける事態になった場合、あなたのスマホも家族の財産として差し押さえ対象になります。
法的に借り物である以上、文句は言えません。
「でも、家族割が適用されなくなるのは困る」と思うかもしれません。
しかし現在は、家族名義を続けるメリットは、ほぼ存在しません。
現在のドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアでは、契約名義が別々でも、支払いを別々にしていても、家族関係を証明できれば家族割グループに組み込むことができます。
家族割のためという理由は、もはや名義変更を先延ばしにする理由にはならないのです。
手続きは、名義変更(譲渡)と呼ばれ、契約者の地位を家族(親など)からあなたへ引き継ぐ作業を指します。
「面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、必要なものを一度そろえてしまえば、手続き自体は1〜2時間で完了します。
ベストタイミングは、今すぐです。デメリットしかない状態を続ける理由はありません。
特に、以下のようなライフイベントの節目は、手続きを行う絶好の機会です。
最もスムーズで確実な方法は、今の契約者(譲渡人)と新しい契約者(譲受人)の2名で、キャリアショップの窓口へ行くことです。
その際に必要なものは、基本的に以下の4点です。
※本人確認書類の詳細は、各キャリアの公式サイトで必ず確認してください。健康保険証など、1点では受け付けられない場合があります。
「親が遠方に住んでいる」「忙しくて都合が合わない」など、2名での来店が難しい場合も多いでしょう。
その場合は、新しい契約者(あなた)が一人で来店し、委任状を提出することで手続きできる場合があります。
各キャリアの公式サイトからPDFをダウンロードし、印刷することで、委任状を取得することができます。ショップ窓口で事前にもらうことも可能です。
書く際には、必ず、契約者本人(親など)が自筆で記入してください。記入漏れ、書き損じ、指定された項目以外の記載(修正液の使用など)があると、その場で手続きを断られ、出戻りになります。
また手続きの際、ショップの店員が委任状の正当性を確認するため、契約者本人(親など)に電話確認を行うことが一般的です。親御さんには「ショップから電話があるかもしれない」と伝えておきましょう。
正直なところ、委任状は不備が起こりやすいため、可能な限り2名で来店するほうが最速であることは間違いありません。
家族間(三親等以内)の名義変更(譲渡)に関する、大手4キャリアの対応をまとめます。(2025年11月現在の情報)
見落としがちなのが「スマホ本体の分割支払金(残債)」の扱いです。
名義変更を行うと、基本的に、その端末の残債も新しい契約者(あなた)に引き継がれます。
例えば、親名義で契約したiPhoneの残債が5万円残っていた場合、名義変更後はあなたがその5万円を(分割、または一括で)支払っていくことになるでしょう。
ただし、新しい契約者の信用情報(支払い能力)によっては、残債の引き継ぎが認められないケースも稀にあります。
その場合、旧契約者(親)が名義変更のタイミングで残債を一括清算するよう求められることも覚えておきましょう。
名義変更が、現実的には難しい。そんな方のために、正規ルートが使えない場合の対処法を教えます。
正規の名義変更ができない理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は家族(親など)の協力が絶対に得られないことです。
親が遠方にいて連絡が取れない、関係性が悪く説得に応じてもらえない、委任状を書いてもらうことすら困難…というケース。手続きには契約者の同意が必須なため、ここで詰んでしまいます。
2つ目は自分自身が信用情報ブラック(ブラックリスト)であることです。
過去にスマホ料金の重大な滞納、クレジットカードやローンの延滞があると、信用情報機関に事故情報が登録されます。名義変更は「新しい契約者」の審査が行われるため、この審査に通らず、名義を引き受けられないケースです。
もし理由が家族の非協力的なだけで、あなた自身の信用情報には問題がない場合、今の電話番号を諦め、自分名義で「新規契約」するのが一番早い方法です。
もちろん、電話番号が変わることによるデメリット(友人・知人への連絡、各種サービスへの登録変更)は計り知れません。しかし、今後何年も家族名義の不便さとリスクを抱え続けるよりは、一度リセットする価値があります。
家族名義の回線は、契約者である家族に解約してもらうか、家族の誰かが使うようにしてもらいましょう。
もし理由が信用情報ブラックである場合、大手キャリアや格安SIM(MVNO)での、新規契約も審査で落ちてしまいます。
その場合、審査なしSIM、またはレンタルスマホと呼ばれるサービスを利用しましょう。
これらは、信用情報機関(CICやJICC)の照会を行わない独自の基準で審査を行う通信サービスです。
その多くは、サービス提供会社が法人として契約した回線を、利用者に「又貸し(レンタル)」する形態を取っています。
法的には、あなたは契約者ではなく「利用者」ですが、家族名義とは異なり、あなた自身が直接サービス会社と契約を結びます。
審査なしSIMのメリットとしては、信用情報ブラックでも契約できること、身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)さえあれば契約できること、即日利用開始できる場合が多いことが挙げられます。
一方デメリットとしては、料金が割高(大手キャリアや格Mに比べ、月額1,000円〜3,000円程度高くなる傾向)であること、SIMのみ契約が基本で端末セットの販売が少ないこと、支払い方法が口座振替やコンビニ決済が中心で、クレカ不可の場合も多いなど限定的であることが挙げられます。
料金は割高になりますが、「自分名義で、誰にも迷惑をかけずにスマホを持つ」という目的は達成できるでしょう。
まずはこうしたサービスで利用実績を積み、信用情報が回復する(通常5年〜)のを待つのが現実的な対処法です。
家族名義のスマホは、一見すると家族の好意に甘えられて便利なように見えます。しかし、スマホは、今や身分証明書と同じレベルの社会インフラです。
それを借り物の状態で使い続けることは、あなたの経済的・社会的な自立において大きな足かせとなります。
名義変更の手続きは、確かに一日仕事で面倒かもしれません。ですが、その一度の面倒を乗り越えれば、今後何十年も続く「名義が違う」というストレスから解放されます。
まずはあなたのスマホの契約者である家族(親御さんなど)に、こう切り出してみてください。
「スマホの名義、そろそろ自分に変えたいんだけど、今週末ショップに行けないかな?」
その一言が、あなたの自立に向けた大きな一歩になるはずです。