湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
「もし、ある日突然、税金の督促状が届いたら…?」
「税金を払わなければいけないのは分かっているけれど、今すぐには払えない…」
税金の滞納と聞くと、遠い世界の話のように感じるかもしれませんが、決して他人事ではありません。
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私たちの生活は、時に予期せぬ変化に見舞われます。
例えば、
これらは、誰の身にも起こりうる状況です。税金の滞納は、決して特別なことではありません。
だからといって「払えないから仕方ない」と放置してしまうのは最も危険です。
税金を滞納すると、法律に基づいた手続きが着々と進み、最終的にはあなたの意思とは関係なく、財産を強制的に徴収される「差し押さえ」にまで発展する可能性があります。
差し押さえには、給与や銀行の預貯金、生命保険、さらには不動産や自動車まで、あらゆる財産が対象となりえます。
日々の生活や将来の計画に、深刻な影響を及ぼす事態になりかねません。
納税は国民の義務ですが、定められた納期限までに支払いが完了しない場合、行政からの最初のアクションが「督促状」の送付です。
この一枚の書類は、単なる「支払いのお願い」ではなく、あなたの税金滞納が法的な手続きの段階に入ったことを示す、非常に重要な危険信号です。
督促状は、法律(国税通則法第37条)に基づき、納期限から50日以内に発送されることが定められています。
多くの自治体では、納期限から約20日後に発送するケースが一般的です。
「ただの通知だろう」と軽く考え、この督促状を放置してしまうと、事態は急速に悪化します。なぜなら、督促状の発送は、後述する「差し押さえ」を実行するための法的な前提条件となっているからです。
督促状を発送した日から起算して10日を経過した日までに完納されない場合、法律上、税務署や役所はいつでも財産を差し押さえることが可能になります。
ただし、この段階で誠実に対応すれば、まだ穏便な解決策を見つけられる可能性が高いです。
督促状と並行して、滞納者にとって大きな負担となるのが延滞税です。
これは、納税が遅れたことに対するペナルティとして課される一種の利息であり、納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて、自動的に加算されていきます。
延滞税は何もしなくても勝手に増え続けていきます。
1日、また1日と放置するだけで、本来納めるべき税額に加えて、余分な負担が膨らみます。
督促状が届いたということは、この延滞税が既に始まっています。
これ以上の負担を増やさないためにも、そして最悪の事態である「差し押さえ」を回避するためにも、督促状を受け取った時点ですぐに行動を起こしましょう。
督促状を無視し、何の連絡もせずにいると、行政の対応は次の段階へと移行します。
それは、より強い警告である「催告書(さいこくしょ)」の送付と、差し押さえの準備段階である「財産調査」の開始です。このフェーズは、差し押さえ実行に向けた、まさに最終カウントダウンと言えるでしょう。
催告書は、督促状を送ってもなお納税や相談がない場合に送付される、最後通告とも言える文書です。
督促状が普通郵便で届くことが多いのに対し、催告書は内容証明郵便や特別送達といった、受け取った記録が残る方法で送られてくることが多く、その法的効力と緊急性は督促状よりも格段に高いと言えます。
文書の文面も「このまま納付がない場合は、やむを得ず財産調査に着手し、差し押さえ等の滞納処分を執行します」といった、より具体的で厳しい内容が記載されています。
この催告書が届いた時点で、事態は極めて深刻な状態であると認識してください。
催告書で指定された期限までに完納または連絡がない場合、税務署や役所は法律に基づき、滞納者の財産を特定するための「財産調査」を開始します。
絶対に誤解してはいけないのは、この財産調査が、滞納者の同意なく、合法的に行われるという点です。
税務署や役所の職員には「質問検査権」という法律で定められた強い権限が与えられており、差し押さえの対象となる財産を特定するため、令状なしで関係各所に照会をかけることができます。
そして、照会を受けた金融機関や勤務先、取引先などは、その調査に協力する法的義務があります。
「給料は手渡しだからバレない」「A銀行の口座は教えていないから大丈夫」といった甘い見込みは一切通用しません。
調査対象となる財産は、以下のように多岐にわたります。
このように、調査は網の目のように張り巡らされ、「バレない財産」は原則として存在しないのです。財産調査が開始されたら、それは差し押さえの「Xデー」が目前に迫っている証拠です。
督促や催告、財産調査を経てもなお税金の納付や相談がない場合、滞納処分は最終段階へと移行します。それが、法律に基づく強制的な財産処分である「差し押さえ」です。
あなたの意思や都合は一切関係なく、行政の判断によって手続きが進行します。そして多くの場合、差し押さえはある日突然、事前の予告なく実行されます。
差し押さえの対象となる財産は多岐にわたりますが、特に生活への影響が大きいのが「預貯金」と「給与」です。
最も多く行われるのが預貯金の差し押さえです。
財産調査によって特定されたあなたの銀行口座に対し、税務署や役所から金融機関へ「差押通知書」が送付されます。
通知を受け取った金融機関は、滞納額を上限として、あなたの口座から強制的に国や自治体へ送金する手続きを行います。
多くの場合、本人はATMでお金がおろせなくなったり、通帳の残高が突然ゼロや大幅に減っていることに気づいて、初めて差し押さえの事実を知ります。
給与の差し押さえは、生活への影響はもちろん、社会的な信用にも関わる深刻な事態です。
この場合、税務署や役所からあなたの勤務先の会社へ「債権差押通知書」が直接送付されます。
これにより、税金を滞納している事実が会社に知られてしまうでしょう。
会社(給与の支払者)は、法律に基づき、あなたの給与から天引きされる税金や社会保険料などを除いた手取り額の一定額を、直接国や自治体に支払う義務を負います。
生活が苦しくなるだけでなく、会社内での立場や信用に傷がつく可能性も否定できません。
土地や建物といった不動産、あるいは自動車なども差し押さえの対象です。
差し押さえられた不動産や自動車は、インターネットなどを通じて「公売(こうばい)」にかけられ、最も高く入札した第三者に売却されます。
その売却代金が、滞納した税金の支払いに充てられることになるでしょう。長年住み慣れたマイホームや、生活に不可欠な車を失うという、非常に厳しい現実を突きつけられます。
「すべての財産を根こそぎ持っていかれるのでは…」と不安に思うかもしれませんが、法律は滞納者の生存権を保障するため、最低限の生活に必要な財産を差し押さえることを禁止しています。
これを「差押禁止財産」と言います。
差押禁止財産の主な例
このように、明日からの生活が完全にできなくなるような差し押さえは行われません。
しかし、これはあくまで最低限の保障です。財産を強制的に処分されるという事実に変わりはなく、生活に甚大な影響が及ぶことは避けられません。
追い詰められた状況では、つい安易な道や間違った解決策に飛びついてしまいがちです。
以下の3つの行動は、いずれも事態を好転させるどころか、取り返しのつかない状況を招く危険な選択です。
最もシンプルかつ最悪の選択です。無視を続ける限り、延滞税は増え続け、差し押さえの執行日は刻一刻と近づいてきます。
行政側も「支払う意思がない」と判断し、機械的に法的手続きを進めるしかありません。交渉の余地を自らゼロにしてしまう行為です。
財産調査を恐れて、「財産はない」と嘘をついたり、意図的に口座から現金を引き出して隠したりする行為は極めて危険です。これらの行為は、悪質な「脱税(逋脱)」とみなされる可能性があります。
発覚した場合には、本来の税額に加えて重い「重加算税」が課されるだけでなく、最悪の場合、刑事罰の対象となることもあります。一時しのぎの嘘が、より重いペナルティを招きます。
「とりあえず借金してでも納税しよう」と考えるかもしれませんが、これも非常に危険な発想です。特に、審査が甘い消費者金融や、違法な金利で貸し付けを行う「ヤミ金」に手を出してはいけません。
目先の税金は払えても、今度は法外な利息の返済に追われ、より深刻な多重債務に陥る可能性が非常に高いです。税金の問題を、さらに解決が困難な借金の問題にすり替えているに過ぎません。
では、どうすればよいのか。それは、管轄の税務署(国税の場合)または、お住まいの市区町村の役所の担当窓口(住民税などの地方税の場合)へ相談に行くことです。
窓口の名称は自治体によって「納税課」「収納課」「税務課」など様々ですが、督促状に記載されている問い合わせ先に連絡すれば間違いありません。
彼らは単なる「取り立て屋」ではありません。納税に関する手続きを司る専門家であり、法律で定められた救済措置(分納や猶予制度)を適用する権限を持つ、唯一の公式な相談相手です。
差し押さえという法的な流れを、公式に「待った」をかけられるのは、この窓口しかありません。
担当者は、あなたがなぜ払えないのかの事情を伝えれば、解決策を一緒に考えてくれます。
相談をスムーズに進めるために、以下のものを準備していくと良いでしょう。
正直に現状を話し、「支払う意思はあるが、一括では難しい」という姿勢を示すことが何よりも重要です。
税務署や役所の窓口へ相談に訪れた際、最も現実的で基本的な解決策として提示されるのが「分納(ぶんのう)」です。
分納とは、本来一括で支払うべき税金を、複数回に分けて納付する制度のことです。
まず大前提として、分納は納税者が当然に得られる「権利」ではありません。
あくまでも、「一括で納付すると生活の維持が困難になる」といったやむを得ない事情がある場合に、行政側の裁量によって特別に認められます。
担当者が最も重視するのは、あなたの「納税に対する誠実な意思」です。
たとえ現在手元にお金がなくても、「必ず最後まで支払います」という強い意志と、具体的な行動計画を示した場合に認められます。
相談の場でただ「払えません」と繰り返すだけでは、話は進みません。
担当者を納得させ、分納の承諾を得るためには、客観的な根拠に基づいた「実現可能な返済計画」を自ら提示することが不可欠です。
相談に行く前に、ご自身の家計の状況を正確に洗い出しましょう。
これを書き出すことで、自分が毎月いくらまでなら納税に充てられるのか、客観的な数字が見えてきます。
「収入 − 必要最低限の生活費 = 納税可能額」を算出します。
ここで重要なのは、見栄を張って無理な金額を提示しないことです。
例えば、月々2万円しか捻出できないのに「5万円払います」と約束しても、すぐに破綻してしまいます。
逆に、月々1,000円といった極端に少ない金額では、納税の意思を疑われてしまう可能性もあるでしょう。
家計の状況を正直に説明した上で、「毎月〇日になら、〇円ずつであれば、必ず納付を続けられます」と、具体的かつ現実的な金額を提示しましょう。
無事に分納が認められても、約束を交わした後に守るべき注意点が2つあります。
分納は、あくまで元本である税金の支払い方法の変更です。
ペナルティである延滞税は、完納する日まで加算され続けます。支払いが長期にわたるほど、延滞税の総額も増えることは理解しておきましょう。
分納の約束(誓約)は、行政側が「差し押さえ」の実行を待つ代わりに取り交わす、いわば信頼関係の証です。
もし、一度でも事前の連絡なく支払いを怠った場合、その信頼は失われ、「約束を守る意思がない」と判断されます。
その結果、分納の約束は即座に取り消され、差し押さえが実行される可能性が極めて高くなります。
やむを得ず支払いが遅れそうな場合は、必ず事前に電話一本でも連絡を入れることが絶対条件です。
より強力な法的救済措置として「納税の猶予」制度が存在します。
これは、特定のやむを得ない事情がある場合に、納税そのものを原則1年間待ってもらえる制度です。
最大の特徴は、延滞税が大幅に軽減または全額免除される点にあり、条件に該当する方にとっては非常に大きなメリットがあります。
納税の猶予は、単なる口約束ではなく、法律に基づいて申請し、許可を得る正式な手続きです。この制度には、大きく分けて「納税の猶予」と「換価の猶予」の2種類があります。
主に予期せぬアクシデントによって納税が困難になった場合に、自ら申請する制度です。適用条件は法律で定められています。
適用条件の例
これらの事実が発生し、一括での納税が困難な場合に申請が可能です。
すでに滞納が発生している状況で、一括で納付すると事業の継続や生活の維持が困難になる場合に、税務署長(市町村長)の職権または本人からの申請によって適用されることがある制度です。
差し押さえられた財産の売却(換価)が猶予されます。誠実に納税する意思があることが前提となります。
この制度が認められると、以下のような大きなメリットがあります。
納税の猶予は、自動的に適用されるものではなく、正式な申請が必要です。
条件に該当すると思われる場合は、以下の書類を準備して税務署や役所の窓口に提出します。
この制度は、単にお金がないという理由だけでは適用されません。
しかし、災害や病気といった、ご自身の責任とは言えない理由で納税が困難になっている方を救済するための重要なセーフティネットです。
もしあなたが適用条件に当てはまるかもしれないと感じたら、諦めずに専門家である窓口の担当者に相談してみてください。
最も重要なのは「決して放置せず、早期に、誠実に行動する」ことです。
安定した納税を実現することは、健全な家計管理そのものです。
以下の3つのアクションプランを実践し、お金に追われる生活から脱却しましょう。
自身のお金の流れを正確に把握することから始めます。
家計簿アプリやスプレッドシート、あるいは簡単なノートでも構いません。毎月の収入と支出を記録し、「何にいくら使っているのか」を明確にしましょう。
無駄な支出を削減できるだけでなく、年間の所得とおおよその納税額を予測し、「納税のために毎月いくら確保すべきか」という目標設定が可能になります。
納税資金は、生活費とは明確に分けて管理するのが鉄則です。
個人事業主やフリーランスの方は、事業用の口座とは別に「専用口座」を作りましょう。売上が入金されたら、そのうちの一定割合(例:20〜30%)を機械的に納税用口座へ移す習慣をつけます。
この口座のお金は「存在しないもの」として扱い、納税の時期まで絶対に手をつけません。この仕組み化によって、「気づいたらお金がなかった」という事態を防げます。
会社員の方も、住民税が給与から天引き(特別徴収)されていない場合は、この方法が有効です。
納める税金そのものを、合法的に減らす努力も重要です。
1つ目はふるさと納税。 実質2,000円の自己負担で、所得税や住民税の還付・控除を受けながら、全国の特産品を受け取れる制度です。
2つ目はiDeCo(個人型確定拠出年金)。 掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を直接的に安くできる、非常に節税効果の高い私的年金制度です。
3つ目はNISA(少額投資非課税制度)。投資で得た利益(配当金、分配金、譲渡益)が非課税になる制度。直接的な節税とは異なりますが、効率的な資産形成をサポートします。
これらの制度を正しく理解し活用することで、手元に残るお金を増やし、納税の負担感を和らげることができます。