湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
「現在無職で、急な出費をまかなうあてがなく困っている」
「カードローンの利用を考えているが、審査に通過できるか不安で一歩を踏み出せない」
「違法な業者などに手を出さず、誰にも迷惑をかけずに安全にお金を借りる方法が知りたい」
そんな悩みを抱えている方に、「なぜ無職ではカードローンを契約できないのか」という根本的な理由を、法律の側面も交えながら分かりやすく解説します。
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「もしかしたら、どこか貸してくれる会社があるかもしれない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現在無職の方がカードローンの審査に通過し、契約を結ぶことは原則としてできません。
期待に応えてくれる正規の貸金業者は、まず存在しないと考えるべきです。
なぜ、これほどまでに無職の方への貸付は厳しいのでしょうか。それには、感情論ではなく、貸金業者側の審査基準や法律に基づいた明確な3つの理由が存在します。
貸金業者がカードローンの審査で最も重視する項目は、申込者の返済能力です。
返済能力とは、単に貯金があるかどうかではなく、継続して安定した収入があり、毎月遅れることなく返済を続けられるかを指します。
カードローンは一度借りたら終わりではなく、数年にわたって毎月返済を続けていく必要があります。
そのため、貸す側は「この人は来月も、半年後も、一年後も、給料などの安定した収入から返済を続けてくれるだろうか」という未来の視点で申込者を評価します。
残念ながら、無職の状態ではこの「継続して安定した収入」を証明することができません。
たとえ一時的に貯蓄があったとしても、それは返済を続けるうちにいずれ底をついてしまう可能性がある減っていくお金です。そのため、返済能力がないと判断され、審査に通りません。
無職の方への貸付を厳しく制限しているのは、貸金業者独自の内規だけではありません。
法律による明確なルールが存在します。それが、消費者金融などの貸金業者に適用される「貸金業法」の中の「総量規制(そうりょうきせい)」という決まりです。
総量規制とは、個人の借入総額を、原則として年収の3分の1までに制限する法律上のルールです。個人の過剰な借入を防ぎ、多重債務問題から消費者を守るために設けられました。
このルールを当てはめると、定職についていない無職の方の年収は、原則として0円と見なされます。
貸付できる上限額は「年収0円 × 1/3 = 0円」となるため、法律上、貸金業者は無職の方に対して1円も貸し付けることができません。
これは、申込者の意志や人柄とは関係なく、全ての申込者に平等に適用される絶対的なルールです。
カードローン会社は、ボランティアではなく営利企業です。顧客に融資を行い、その利息によって利益を得ることで事業を成り立たせています。
そのため、事業を継続する上で最も避けなければならないのが、融資したお金が返済されなくなる「貸し倒れ」です。
貸し倒れが一件でも発生すると、その損失をカバーするためには、他の多くの顧客から得られる利息利益が必要になります。
収入源のない無職の方への融資は、統計的に見ても、残念ながらこの貸し倒れに繋がるリスクが極めて高いと判断されます。
企業として健全な経営を維持し、他の多くの顧客にサービスを提供し続けるためにも、貸し倒れリスクの高い融資は避けなければなりません。
その結果として、審査基準は厳格に設定され、安定した収入のある人に対象が絞られています。
しかし、一言で「無職」と言っても、その状況は人によって様々です。
もしあなたが以下のケースに当てはまるのであれば、カードローンを利用できる可能性が残されています。
ただし、それぞれ条件や注意点があるため、内容を正しく理解しておきましょう。
公的年金(国民年金・厚生年金など)は、国から定期的かつ継続的に支給されるため、一部の金融機関では「安定した収入」と見なされることがあります。
そのため、年金を収入源としてカードローンに申し込める場合があるでしょう。
実際に、一部の消費者金融や銀行では、年金受給者向けのローン商品を用意しています。
ただし、申し込みには「満69歳まで」「満74歳まで」といった年齢制限が設けられていることがほとんどです。
また、借入可能額も年金額に応じて設定されるため、希望する金額を借りられるとは限らないことにも注意が必要です。
所有するアパートやマンションからの家賃収入(不動産所得)や、株式の配当金(配当所得)が定期的にある場合も、「安定収入」として認められる可能性があります。
これらの収入を証明するためには、前年度の「確定申告書の控え」や、証券会社から発行される「配当金支払通知書」などの公的な書類を提出する必要があるでしょう。
金融機関はこれらの書類をもとに、収入の安定性や金額を判断し、融資の可否を決定します。毎年、継続して安定した所得があることを客観的に証明できるかが鍵となるでしょう。
ご自身に収入がない専業主婦(主夫)の方でも、配偶者に安定した収入があれば、カードローンを利用できる道が2つあります。
一つ目は、一部の消費者金融が提供する、配偶者貸付という制度です。
これは、夫婦の年収を合算した額の3分の1まで借入が可能になるもので、総量規制の例外的な扱いです。
ただし、利用には必ず配偶者の同意書や、夫婦関係を証明する書類(住民票など)の提出が必須となります。
二つ目は、一部の銀行カードローンです。銀行は総量規制の対象外であるため、独自の基準で審査を行います。
そのため、専業主婦(主夫)でも上限30万円~50万円程度の少額であれば、申し込み可能な場合があります。
会社を退職した後に受け取る雇用保険(失業保険)は、カードローンの審査において「安定収入」とは見なされません。
なぜなら、失業保険はあくまで次の仕事が見つかるまでの生活を支えるための一時的な給付金であり、受給期間も限られているからです。
数年にわたる返済を前提とするカードローンの返済原資としては認められず、失業保険を収入源として申し込んでも審査には通りません。
この点は、年金や不動産所得との大きな違いなので、はっきりと区別しておきましょう。
カードローンの審査に通らなかったとしても、無職や無収入という状況でも利用できる可能性のある、国や自身の資産を活用した様々な資金調達の方法が存在します。
生活に困窮している方向けに、国が設けている貸付制度です。
代表的な「生活福祉資金貸付制度」は、市町村の社会福祉協議会が窓口となり、無利子または超低金利で借入が可能です。ただし、審査や手続きに数週間かかる場合があります。
解約返戻金がある積立型の生命保険に加入している場合、その返戻金の一定範囲内でお金を借りられる制度です。
自身の資産を担保にするため、新たな審査は不要で、比較的スムーズに利用できます。
ゆうちょ銀行の総合口座で、担保定額貯金や担保定期貯金を利用している方が対象です。
通常貯金の残高が不足した際に、貯金額を担保として自動的に貸付を受けられます。
お手持ちのクレジットカードに「キャッシング枠」が既に設定されていれば、ATMなどですぐに現金を借り入れることができます。
審査不要で即時性も高いですが、金利は高めに設定されているため、計画的な利用が必須です。
「今買って、支払いは後で」という後払い(BNPL)サービスを利用すれば、当座の支払いを翌月以降に先延ばしにできます。サービスによっては、少額の現金化が可能な場合もあるでしょう。
ブランド品や宝飾品、高級腕時計といった価値のある品物を預ける(質入れする)ことで、その査定額の範囲内でお金を借りる方法です。
期限内に返済すれば品物は手元に戻り、もし返済できなくても品物を手放せば返済義務はなくなります。
自宅などの不動産や、自家用車を担保にお金を借りる方法です。
資産価値に応じたまとまった金額を借りられる可能性がありますが、返済できなくなった場合は、担保にした大切な資産を失うリスクがあります。
大手とは異なる独自の審査基準を設けている正規の中小消費者金融も存在します。
ただし、「無職でもOK」と安易に謳う業者には注意が必要です。必ず国に登録された正規の貸金業者かを確認し、慎重に検討しましょう。
他のどの方法も難しい場合の最終手段です。頼る際には、誠意をもって事情を正直に話し、具体的な返済計画を必ず提示しましょう。
信頼関係を損なわないための配慮が最も重要です。
お金に困り、精神的に追い詰められると、人は正常な判断力を失いがちです。
ここで紹介する3つの行為は、どんなに切羽詰まった状況であっても、絶対に手を出さないでください。安易な考えが、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
「無職だと審査に通らないなら、勤務先を偽って申し込めばいい」という考えは、極めて危険です。
アリバイ会社を使ったり、以前の勤務先を書いたりといった虚偽の申告は、発覚した際に「詐欺罪」に問われる可能性がある犯罪行為です。
金融機関は、在籍確認や信用情報の照会など、申告内容を検証するノウハウを持っています。嘘はほぼ間違いなく見抜かれると考えましょう。
そして何より、嘘の申告をしたという事実は信用情報機関に記録として残ってしまいます。
その結果、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組む、クレジットカードを作るといった、人生の重要な局面で審査に通らなくなり、長期的な不利益を被ることになるのです。
インターネットの広告やSNS、電柱の貼り紙などで「審査なし!即日融資」「ブラック・無職でもOK」といった甘い言葉を見かけても、絶対に連絡してはいけません。
これらは、国に登録していない違法な金融業者、いわゆる「闇金(ヤミ金)」の典型的な手口です。
正規の貸金業者は、法律で審査が義務付けられています。「審査がない」時点で、それは違法業者である証拠です。
闇金に一度手を出してしまうと、「トイチ(10日で1割)」といった法外な金利を請求され、返済は不可能になります。
そして、自宅や(将来の)勤務先への脅迫的な電話、家族や親族への嫌がらせといった、悪質で暴力的な取り立てによって、人生そのものを破壊されかねません。
X(旧Twitter)などのSNSやネット掲示板で、「#個人間融資」といったハッシュタグを使い、個人を装って金銭の貸し借りを行う投稿が散見されます。
しかし、これも闇金業者の温床となっており、非常に危険です。
「手数料を先に振り込んでくれたら融資します」と言って保証金だけをだまし取る「融資詐行」や、申込時に送った身分証明書などの個人情報を悪用される、犯罪に使う銀行口座の開設を強要されるといったトラブルが後を絶ちません。
特に女性の場合は、性的関係を要求される「ひととき融資」といった、卑劣な犯罪被害に遭うリスクも高く、絶対に利用してはいけません。
お金を借りることは、あくまで一時的な問題を先送りにする対症療法に過ぎません。
本当に安定した生活を取り戻すためには、なぜお金に困っているのかという根本的な原因に向き合いましょう。
何にどれだけお金を使っているか、正確に把握していますか。まずは簡単な家計簿アプリやノートを使い、1ヶ月の支出を「見える化」してみましょう。その上で、削減できる支出がないかを探します。
見直しのポイントは、毎月決まって出ていく「固定費」と、月によって変動する「変動費」の両方に目を向けることです。
すぐに正社員の仕事を見つけるのが難しくても、日雇いや短期・単発のアルバイトであれば、比較的早く働き始めることが可能です。
ここで得た収入は、切迫した生活費の問題を和らげるだけでなく、就職活動を続けるための資金にもなるでしょう。
お金の問題は、決して一人で悩まず、公的な支援制度や法律の専門家に頼ってください。相談は無料で行える窓口が多数あります。
まず最も重要な点として、安定した収入がない無職の状態では、返済能力や総量規制という法律の観点から、正規のカードローンを契約することは原則として不可能です。
しかし、カードローンが利用できなくても、国や自治体が行う公的融資制度をはじめ、生命保険の契約者貸付や質屋の利用など、あなたの状況や資産に応じて選べる安全な代替案は多数存在します。
どんなに困っても、審査なしを謳う闇金(ヤミ金)や安易な個人間融資には絶対に手を出さないでください。
借入はあくまで一時しのぎの手段です。
安易な借入に頼るのではなく、ご自身の生活を立て直すための行動を起こすことが何よりも大切です。