湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
ファッション通販サイトZOZOTOWN(ゾゾタウン)の「ツケ払い」は、商品を受け取ってから最大2ヶ月以内に支払えばよいという、非常に便利なサービスです。
手元にお金がなくてもすぐに欲しい服が手に入るため、多くの人が利用しています。
しかし、その便利さゆえに「たかが洋服代の後払い」「少しぐらい遅れても大丈夫だろう」と軽く考えて、あなたがその督促を無視し続けたらどうなるかをご存じでしょうか。
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ZOZOのツケ払いとは、GMOペイメントサービス株式会社が提供する「GMO後払い」という決済サービスを利用しています。
つまり、滞納している相手はZOZOではなく、GMOペイメントサービスという金融サービス企業です。
支払い期限は注文日から最大2ヶ月。この期限を過ぎれば、当然ながら「立て替えたお金を返してください」と要求してきます。
「ツケ払い」とは法律上、あなたがGMOペイメントサービスから一時的にお金を借りて商品を購入しているのと変わりません。立派な信用取引です。
クレジットカードの支払いやカードローンと同じように、返済が遅れれば契約違反となります。
滞納が一定期間(通常2〜3ヶ月)続くと、GMOペイメントサービスは「この人は約束通りに支払い(返済)をしなかった」という情報を信用情報機関(CICなど)に登録する可能性があります。
これが、いわゆる「ブラックリストに載る」状態です。一度登録されると、滞納を解消しても数年間は記録が残ります。
その結果、以下のような深刻なデメリットが生じるでしょう。
「少額だから裁判は起こらないだろう」というのは大きな誤解です。 債権者(GMO)にとって、お金の回収はビジネスです。
連絡が取れず、支払い意思も見せない相手に対しては、法的な手段(督促、訴訟)を取るしかありません。
たとえ5万円の滞納であっても、裁判所を通じて支払督促が送られてきたり、少額訴訟を起こされたりするケースは十分にあり得ます。
もし裁判所からの通知も無視すれば、相手の主張が全面的に認められ、最終的には強制執行(差し押さえ)が可能になるでしょう。
ある日突然、あなたの給与や銀行口座が差し押さえられ、会社にも借金滞納の事実が知らされます。
あなたが支払い期限を過ぎたその日から、最終的な差し押さえまでの全プロセスを時系列で解説します。
支払期限日(注文から最大2ヶ月)を1日でも過ぎると、すぐに督促が始まります。まずはメールやSMSで「お支払いが確認できておりません」といった、比較的丁寧な連絡が届くでしょう。
それでも支払いや連絡をしないでいると、督促の頻度は上がっていきます。自宅に請求書兼督促状(ハガキ)が届くようになり、電話がかかってくることもあるでしょう。文面も「お支払いください」から「至急ご連絡ください」へと、次第に強い口調に変わっていきます。
この時点で、ZOZOTOWNでのツケ払いは利用停止になります。それだけでなく、GMO後払いを採用している他の通販サイトでも、サービスが利用できなくなる可能性が非常に高くなります。
督促と並行して支払い期限の翌日から、遅延損害金が発生します。これは、支払いを遅らせたことに対するペナルティ料金です。
遅延損害金とは、借金の延滞利息です。GMO後払いの場合、その利率は年率14.6%(2024年時点の情報)が設定されてることが多いです。
この利率は日割りで加算されます。例えば5万円を滞納した場合、1日あたり約20円(5万円 × 14.6% ÷ 365日)が、あなたが支払うまで毎日毎日増え続けます。
滞納から2ヶ月〜3ヶ月が経過してもなお支払いをしない場合、GMOペイメントサービスは「この人は長期間、支払いを怠った」という事実を信用情報機関(CIC、JICCなど)に登録します。
これが一般に「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態です。この状態になると、あなたの信用情報に「延滞」や「異動」といったネガティブな情報が記録されます。
この記録は、滞納を解消した後も約5年間は消えません。
この間、あなたは以下のような社会生活上の大きな不利益を被ります。
GMOペイメントサービスが「この人からは自力で回収できない」と判断すると、次のステップに進みます。
債権(お金を回収する権利)が、GMOから提携する弁護士事務所や、法務省の認可を受けた専門の債権回収会社(サービサー)に譲渡(または回収委託)されるでしょう。
こうなると連絡してくる相手は、借金回収のプロに変わります。督促の電話や郵便物はより厳しく専門的になり、一括請求を求める内容が送られてくることが一般的です。
債権回収会社も、いきなり裁判を起こすわけではありません。その前に最終通告を行います。
「支払いがない場合、法的措置を講じます」という内容が書かれた通知書が、内容証明郵便などで届くことがあるでしょう。
これは単なる脅し文句ではありません。裁判所を通じた手続きに進むための、法的な予告です。この段階で連絡・交渉をすればまだ間に合う可能性もありますが、これを無視すれば、事態は法廷に移ります。
最終通告を無視すると、債権者は裁判所へ申し立てを行います。そして、あなたの元へ裁判所から、支払督促や訴状といった、見慣れない茶色い封筒が届くでしょう。
滞納額が少額(60万円以下)の場合、少額訴訟や支払督促申立という、比較的簡易でスピーディーな法的手続きが取られることがほとんどです。
「どうせ少額だから」「裁判所なんて怖い」と、この通知を無視するのは最悪の選択であると言えます。
あなたが反論しない(異議申し立てをしない)場合、裁判所は債権者の主張を100%認め、あなたに支払い(と裁判費用)を命じる判決や決定を下します。
裁判所の判決や仮執行宣言付支払督促を得た債権者は、最終手段である「強制執行」が可能になります。
そうなると債権者は、あなたの財産を強制的に差し押さえることができます。ある日突然、あなたの銀行口座が差し押さえられ、預金残高が(滞納額に達するまで)ごっそり引き落とされるでしょう。
あなたが会社員であれば、裁判所からあなたの勤務先に「債権差押命令」が送達されます。
これにより、あなたの給与(手取りの最大4分の1、または33万円を超える全額)が差し押さえられ、会社から直接債権者へ支払われます。
ここまで来ると、経済的なダメージだけでなく、会社に借金滞納がバレるという社会的な信用も失墜します。
裁判や差し押さえに至るまでには、まだ時間があります。今すぐあなたが取るべき対処法とやってはいけない行動を解説します。
事態をこれ以上悪化させないために、以下の3つの行動だけは絶対に避けてください。
「怖いから連絡しない」「ハガキを見なかったことにする」 その間も、遅延損害金の加算、信用情報への登録、法的手続きは、あなたの意思とは関係なく淡々と進行します。
あなたが無視をしても、GMOペイメントサービスや債権回収会社が「諦めてくれる」ことは絶対にありません。放置が最も最悪の選択です。
「とりあえずツケ払いを返済するために、クレジットカードのキャッシング枠で借りよう」 「消費者金融で一時的に借りて穴埋めしよう」と安易な借り入れによる返済をしないでください。
これは、自転車操業の典型的な入り口です。一つの穴を掘って別の穴を埋めているだけで、借金の総額は減るどころか増えていきます。
ツケ払いの遅延損害金(年率14.6%程度)に対し、キャッシングや消費者金融の金利はそれ以上(年率18%程度)であることが多く、結局はより高い利息を払うことになります。
「急な出費が」「財布を落とした」などと嘘をついて、家族や友人からお金を借りて返済しようとすることもNGです。
一時的にその場はしのげるかもしれませんが、もし返済が滞れば、あなたはお金だけでなく、最も大切な人間関係と信用を失うことになります。
あなたの現在の状況に合わせて、取るべき行動は異なります。
「うっかり忘れていた」「給料日がズレただけで、お金はある」というケースです。 これは最も簡単です。今すぐGMOペイメントサービスに連絡し、支払ってください。
督促のハガキやメールに記載されている連絡先(電話番号)に電話し、「期限を過ぎてしまったが、すぐに支払いたい」という意思を伝えます。
次に期限切れの請求書(ハガキ)がコンビニなどで使えるか、あるいは銀行振込が必要か、支払い方法を確認しましょう。場合によっては請求書を再発行してもらう必要があります。
数日の遅れであれば、遅延損害金も少額で済みます。信用情報に傷がつく前に、迅速に処理しましょう。
「5万円を一括は無理だけど、2万円ずつなら…」というケースです。 この場合、電話で交渉するという選択肢があります。
メールや問い合わせフォームでは「一括でお願いします」という定型的な返答しか来ない可能性が高いですので、必ず電話で担当者と直接話してください。
ただし、注意点があります。GMOペイメントサービス(債権者)には、分割払いに応じる法的な義務はありません。あくまで交渉であり、断られる可能性があります。
しかし無視されるよりは、分割でも払ってくれる方が債権者にとっても良いため、交渉に応じてもらえるケースは多くあります。
「分割でも無理。今、本当にお金がない」という場合でも、取るべき行動は正直に連絡することです。
無視を続けると、相手は支払い意思なしとみなし、法的手続きへ移行を早めます。
しかし、電話で「今はどうしても支払いの目処が立たない。だが支払う意思はある」と正直に伝えることで、相手も「この人は連絡が取れる」と認識するでしょう。
電話をしたからといって、その場で返済を免除されるわけではありません。遅延損害金も増え続けます。
ですが、この一本の電話が、いきなりの訴訟や差し押さえに進む時間を稼ぎ、次の解決策を考える猶予を生む可能性があるのです。
もしあなたがZOZOツケ払い以外にも返済に困っている借金(リボ払いやカードローンなど)を抱えているなら、事態は自力での交渉で解決できる範囲を超えています。
その場合は、債務整理という法的な解決策を検討する必要があります。
もしあなたが「ZOZOツケ払いの他にも返済に困っている借金がある」としたら、ツケ払いの滞納は、あなたの借金問題全体の一部に過ぎないかもしれません。
その場しのぎでツケ払いだけを返済しても、来月にはクレジットカードのリボ払い、再来月にはカードローンの返済が迫ってくる…という状況では、根本的な解決にはならないでしょう。
ここでは、その場しのぎではない、法的な借金解決策である債務整理について解説します。
もし以下の項目に一つでも当てはまるなら、あなたは多重債務の状態か、その一歩手前にいる可能性があります。
これらは、返済能力(収入)と支出(借金返済)のバランスが崩壊しているサインです。自力での解決は困難であり、専門的なアプローチが必要となります。
債務整理とは、借金が返済困難になった場合に、国が認めた法的な手続きによって、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりする手続きの総称です。
これは決して、悪いことでも逃げでもありません。多重債務で生活が破綻する前に、再スタートを切るために用意された、正当な救済制度です。
主な手続きには「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。
任意整理は裁判所を通さずに、弁護士や司法書士が代理人として各債権者(お金を貸した側)と直接交渉し、返済の負担を軽くする手続きです。
交渉内容としては、将来発生する利息(将来利息)や、すでに発生している遅延損害金をカットしてもらうことや、残った元金(借金の本体)だけを、3年〜5年(36回〜60回)の分割払いにしてもらうことなどがあります。
もちろん、ZOZOツケ払いの債権者であるGMOペイメントサービスも交渉対象になるでしょう。他のカードローンやリボ払いとまとめて整理し、月々の返済額を現実的な金額に調整できます。
任意整理のメリットは以下の3つです。
一方デメリットは以下の2つです。
個人再生は、裁判所に申し立てを行い、借金の大幅な減額(例:5分の1や10分の1など、保有資産や総額による)を認めてもらう手続きです。
減額された借金を、原則3年(最長5年)で返済していきます。
個人再生のメリットは以下の2つです。
一方デメリットは以下の2つです。
自己破産は、裁判所に「支払い不能」であると認めてもらい、原則として全ての借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。まさに最終手段です。
自己破産のメリット
一方デメリットは以下の4つです。
借金には、時効(消滅時効)があります。GMO後払いのような商取引の債権は、原則として5年で時効を迎えます。「じゃあ5年間無視し続ければいいのでは?」と思うかもしれませんが、それは100%不可能です。
時効は、債権者(GMOなど)が「支払ってください」と督促をしたり、裁判所を通じて支払督促や訴訟を起こしたりすると、その時点で、中断(更新)されます。つまり、時効のカウントがゼロに戻ってしまいます。
借金回収のプロである債権者が、5年間も何もしないで時効を成立させてくれることは絶対にあり得ません。そのため時効を待つという選択肢は、現実的に存在しません。
あなたが、どうしようと悩んでいる間も、GMOペイメントサービスや債権回収会社は、業務として手続きを進めています。自力での解決が困難な理由は明確です。
借金問題の専門家に依頼するメリットは、あなたが思っている以上に巨大です。そして、相談(特に初回相談)は無料でできることがほとんどです。
弁護士・司法書士に依頼し、彼らが債権者(GMOなど)へ受任通知を送付した瞬間、法律(貸金業法)により、あなた本人への直接の取り立て(電話、郵便物)が禁止されます。
「自分は任意整理がいいのか? それとも自己破産しかないのか?」と 専門家は、あなたの借金総額、収入、財産状況を冷静に分析し、任意整理、個人再生、自己破産といった選択肢の中から、あなたにとってのベストな解決策を診断してくれます。
厄介な債権者との交渉、裁判所に提出する複雑な書類の作成など、ストレスのかかる作業をすべて代行してくれます。
「もうすぐ裁判になりそう」あるいは「すでに裁判所から通知が来た」という切羽詰まった状況でも、専門家なら間に合う手立てを持っています。
迅速に介入することで、最悪の事態である給与差し押さえを回避・停止できる可能性が上がるでしょう。
専門家が介入すると、全ての連絡窓口は弁護士・司法書士事務所になります。
自宅や会社に督促状や電話が来ることはなくなるため、家族や勤務先に借金問題が知られるリスクを最小限に抑えることができます。
とはいえ、どこに相談すればいいか分かりませんよね。 ポイントは「借金問題(債務整理)に強い」事務所を選ぶことです。
そして、「相談無料」「(依頼費用の)分割払い可」という事務所を見つけることです。
借金に悩む人にお金がないことは、専門家が一番よくわかっています。だからこそ、多くの事務所が最初の相談を無料にし、費用も分割で対応してくれます。
「たかがツケ払い」と甘く見ていた過去を悔やむより、「ツケ払いのうちに」問題を解決する未来を選びましょう。