湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
お金のトラブルは誰にも相談できず、一人で焦りを募らせてしまいがちです。
au PAY スマートローンで未払いが発生すると、ペナルティは待たずに始まります。まずは即座にサービスの利用停止措置が取られ、翌日から遅延損害金が発生するでしょう。
この記事では、未払い発生直後の初期対応から、督促が届くスケジュール、そして最終的な法的措置(差し押さえ)に至るまでを解説します。今の自分がどのぐらい危険な場所にいるのかを正しく把握しましょう。
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まず最初に直面するのは、サービスの利用停止(利用限度額の凍結)です。
昨日までアプリで簡単に借り入れができていたとしても、未払いが確認された瞬間から、追加の借り入れは一切できなくなります。今月の生活費を借入で補填して、返済に充てようという自転車操業的な計画は不可能です。
さらに経済的な痛手となるのが遅延損害金の発生です。これは通常の利息とは異なり、約束を破ったことに対する「損害賠償」の性質を持ちます。au PAY スマートローンの場合、遅延損害金利は実質年率20.0%(法定上限)が適用されます。
例えば、借入残高が50万円ある状態で10日間延滞した場合をシミュレーションしてみましょう。
たった10日放置するだけで、約2,740円ものお金が何の意味もなく消えていきます。
これが1ヶ月続けば約8,200円の無駄な出費です。放置すればするほど、支払い総額が膨れ上がり、本来の元金を減らすことが困難になっていきます。
未払いが確定すると、登録先へ督促の連絡が入ります。初期段階(数日以内)では、事務的なメールやアプリのプッシュ通知で「お支払い日の確認」や「入金のお願い」が届くのが一般的でしょう。
ここで重要なのは、au PAY スマートローンがKDDIグループのサービスである点です。
通知は原則として「au ID」に登録されている連絡先へ届きます。キャリア変更などでメールアドレスが変わっているのにau IDの情報を更新していないと、督促に気づかず、知らぬ間に、連絡がつかない悪質な利用者と判断されるリスクがあるでしょう。
また、メールに反応がない場合は、0120や03から始まる番号で、担当者から支払いの意思確認の電話が入る可能性があります。
口座にお金を入れ忘れていただけという場合、一刻も早いリカバリーが必要です。自動の再引き落としを待っていてはいけません。
金融機関によっては再振替が行われない場合もあり、待っている間も遅延損害金は加算され続けます。
最短で遅延を解消する方法は、スマホATMの利用です。au PAY スマートローンアプリを使うと、お近くのセブン銀行ATMやローソン銀行ATMから直接現金を返済できます。
これなら24時間対応で、入金した瞬間に未払い状態が解消されるでしょう。
また、会員ページで確認できる指定口座への銀行振込も可能ですが、振込手数料は自己負担となります。いずれにせよ、アプリの「ご返済」メニューを今すぐ開き、能動的に動くことが、信用情報の傷を最小限に抑える唯一の手段です。
未払いの発生から数日が経過し、初期のメールやアプリ通知を無視していると、回収のフェーズは通知から督促へと移行します。
まず、自宅ポストに督促状(圧着ハガキ)が投函されます。通常、外見からは借金の督促とは分からないよう配慮されていますが、「auフィナンシャルサービス」等の差出人名や、重要親展の印字を見た同居の家族が不審に思うでしょう。
並行して、携帯電話への督促電話も頻繁になります。
貸金業法により、深夜早朝の電話や威圧的な取り立ては禁止されていますが、日中の活動時間帯にかかってくる電話は、仕事中や移動中のあなたに強烈な心理的プレッシャーを与えるでしょう。
携帯電話への連絡が繋がらない状態が続くと、カード会社は所在不明または連絡回避と判断し、安否確認や在籍確認を兼ねて職場(勤務先)へ電話をかける権利が生じます。
個人名(担当者名)でかけられるため、即座に借金がバレるわけではありませんが、普段かかってこない個人名電話に対し、勘の鋭い上司や同僚が疑念を抱く可能性はあります。
督促を無視し続け、延滞期間が61日以上または3ヶ月を超えると、金融事故として確定し、いわゆるブラックリスト入りになります。
au PAY スマートローンの利用情報は、指定信用情報機関(CICやJICC)に詳細に記録されています。ここに「異動」という情報が登録されるでしょう。
これは長期延滞により契約通りの返済がなされなかったという烙印です。一度登録されると、延滞を解消してから最長5年間は消えません。
この間、他社のクレジットカード作成、自動車ローン、住宅ローンの審査はほぼ100%通らなくなります。さらに、スマートフォンの端末分割払いさえ拒否されるようになり、現代社会での生活基盤が著しく制限されるでしょう。
また、「毎月決まった日に分割で少しずつ返済すればよい」という債務者の権利(期限の利益)がなくなります。
これを期限の利益の喪失と言います。権利を失ったあなたに届くのは、一括請求通知書です。
ここまで来ると、au PAY スマートローン(auフィナンシャルサービス)は自社での回収を断念し、借金の管理をプロの回収業者である債権回収会社(サービサー)へ委託、あるいは債権譲渡します。
これ以降、連絡元は債権回収会社や法律事務所に変わり、届く書面の文言も、お願いから法的措置の予告という警告へと変化するでしょう。
そして最終的に、裁判所から支払督促や訴状が、特別送達という特殊な郵便で届きます。
これは受取拒否ができず、郵便局員から直接手渡されるもので、家族に隠し通すことは不可能です。裁判所の通知さえも無視し、異議申し立てを行わない場合、債権者の言い分が全面的に認められ、強制執行(差し押さえ)が実行されます。
差し押さえの対象として最も狙われやすいのが給与です。裁判所からあなたの勤務先へ、給与差押命令書が送達されます。
これにより、会社は給料の一部(手取り額の4分の1など)をあなたではなく、債権者へ支払う義務を負うのです。
つまり、会社に借金の事実が100%バレることになります。経理担当者や上司に知れ渡り、会社にいづらくなって退職に追い込まれるでしょう。
au PAY スマートローンを利用している方の多くは、携帯電話もauやUQ mobileを契約し、au PAY カードを所持するなど、いわゆるau経済圏で生活をまとめているケースが目立ちます。
そのため、ローンの支払いが遅れただけで、スマホまで止まるのではないか?と考えるかもしれません。ここでは、KDDIグループのサービス間の連携リスクと、生活全般に広がる波及効果について解説します。
「ローンの貸金契約」と「通信サービスの契約」は法的に別物なため、au PAY スマートローンの未払いが原因で、即座に携帯電話の回線が停止・解約されることは原則としてありません。
スマートローンの返済が滞っても、毎月の携帯電話料金を期日通りに支払っている限り、通話やデータ通信は継続して利用できます。
しかし、例外が存在します。
もしあなたが、携帯電話料金の支払いを、au PAY カード(クレジットカード)に設定しており、そのカードの引き落としも同時に滞っている場合、カード利用が停止され、結果として携帯料金も未払いとなるでしょう。この場合、通信契約側の規定により回線停止措置が取られます。
より深刻なのは、機種変更ができなくなるということです。近年のスマートフォンは高額化しており、多くの人が端末代金を分割払いで購入しています。
分割契約とは、法律上ローンと同じ扱いであり、審査時に信用情報機関のデータを必ず参照しているのです。
au PAY スマートローンで金融事故(異動)の記録がついていると、auショップで新しいiPhoneやAndroid端末を分割で購入する審査に100%落ちます。
今後数年間、機種変更の際は一括払いで高額な端末代を用意するか、中古の安い端末を使い続けるしかなくなります。
影響はauのサービス内だけには留まりません。
まずは、途上与信による他社カードの利用停止です。
現在問題なく使えている楽天カードやJCBカードなどの他社クレジットカード会社も、定期的にあなたの信用情報をチェック(途上与信)しています。
そこで「auで長期延滞中」という事実が発覚すると、貸し倒れリスクが高いと判断され、有効期限内であっても突然カードが利用停止(強制解約)になるケースが多発しています。
信用情報に傷がつくと、ブラックリストが解除されるまでの5年~10年間は、住宅ローンやマイカーローンの新規契約は絶望的となります。
結婚を機に家を買いたいと思っても、過去の数万円、数十万円の未払いが原因で、パートナーの夢まで壊してしまうことになりかねません。
さらに盲点なのが賃貸契約です。近年は入居時に家賃保証会社への加入が必須の物件が増えています。
信販系(クレジットカード会社系)の保証会社はCICのデータを参照するため、ブラックリスト入りしていると入居審査に通らず、住みたい部屋・更新したい部屋を借りられないという、衣食住の「住」に関わる危機に直面するでしょう。
日常的に貯めている資産にも影響がおよびます。 銀行カードローンの場合、未払いがあると口座残高が相殺され、強制的に返済に充てられることがありますが、au PAY スマートローンの場合、チャージ済みのau PAY 残高が勝手に没収されるケースは稀です。
ただし、会員資格の取り消しやアカウント自体が凍結された場合、アプリへのログインができなくなり、事実上残高が使えなくなるリスクは否定できません。
また、コツコツ貯めたPontaポイントも同様です。規約違反による強制退会処分となった場合、保有しているポイントはすべて失効する可能性があります。
数百円の遅延損害金を惜しんで放置した結果、数千、数万円相当のポイントを一瞬で失うのは、あまりにも割に合いません。
借金問題は、法律と手続きで必ず解決できます。
もし今、返済の目処が立っているなら、サポートセンターへ電話を一本入れるだけで、状況は劇的に改善します。
自力での返済が不可能なら、弁護士や司法書士という味方をつけて、督促の嵐を即座に止めましょう。