湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
カード会社はビジネスとして、この人にお金を貸しても(立て替えても)大丈夫かどうかを審査しています。
もし審査に落ちても必ず理由があります。ですが、カード会社がその理由を親切に教えてくれることはありません。
ここでは、審査落ちのモヤモヤとした不安を解消し、次の行動に移れるよう解説します。
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クレジットカードの審査とは、一言でいえば「この人を信用して、後払い(立て替え払い)を許可しても大丈夫か?」というカード会社のリスク審査です。
あなたがお店でカードを使うと、その代金は一時的にカード会社が立て替えます。もしあなたが月末にその代金を支払えなければ、カード会社は丸損します。
そうした事態を避けるため、カード会社は申込者の「支払い能力」と「信用の履歴」を厳しくチェックしていきます。
クレジット業界では、審査の基準として「3C」と呼ばれる考え方があります。
これらを総合的に見て、信用できると判断された人だけがカードを持てます。
カード会社があなたの信用を測るために見る資料は、大きく分けて2つあります。
1つ目は属性情報(スコアリング)です。
これは申込者本人の現在の状況です。具体的には、年収、職業、勤務先、勤続年数、居住形態(持ち家か賃貸か)、家族構成などが含まれます。
カード会社はこれらの情報を点数化(スコアリング)し、申込者の返済能力(Capacity)の土台を判断するでしょう。
2つ目は信用情報(クレヒス)です。
これは過去から現在までの金融取引の実績です。これまで利用したクレジットカードやローンの契約内容、支払い状況(延滞はないか)、借入残高などが記録されています。
これは信用情報機関という専門の機関に登録されており、カード会社は審査の際に必ず照会するでしょう。これが信用の履歴(Character)の中核となります。
審査の仕組みがわかれば、審査に落ちる理由も見えてきます。
審査落ちの理由は、属性情報か信用情報のどちらか(あるいは両方)が、カード会社の基準を満たせなかったということです。
主なパターンは以下の5つです。
1つ目は返済能力が基準に達していない(属性情報が弱い)ケースです。年収が低い、勤続年数が短い、あるいはアルバイトや自営業で、収入が不安定と判断された場合などが考えられます。
2つ目は過去の金融履歴に問題がある(信用情報に傷がある)ケースです。過去にローンの返済やクレジットカードの支払いを長期間延滞した、債務整理(自己破産など)をした履歴が信用情報に残っている場合が挙げられます。いわゆるブラックリスト状態です。
3つ目は短期間に申し込みすぎている(多重申し込み)ケースです。「よほどお金に困っているのでは?」と警戒されるため、短期間(目安:6ヶ月以内)に何枚もカードを申し込むと審査に通りにくくなります。
4つ目はそもそも申込基準を満たしていないケースです。「18歳以上(高校生不可)」「安定した収入がある方」といった、カード会社が定めた最低限の申込資格を満たしていないケースと言えます。
5つ目は申し込み内容の不備や虚偽があるケースです。住所や電話番号の入力ミス、あるいは年収や勤務先を偽って申告した場合が挙げられます。うっかりミスはともかく、虚偽申告が発覚すれば即審査落ちです。
属性情報とは、あなたの今の返済能力の土台を示すデータです。
過去の履歴(信用情報)がキレイでも、属性情報がカード会社の基準を満たさないと、審査に落ちることがあります。
年収額そのものよりも、「安定継続した収入があるか」が重視されます。例えば、年収が数千万円あっても、それが一時的なものであれば審査は慎重になるでしょう。
正社員や公務員が有利なのは、この安定性が高いと判断されるためです。パート・アルバイト、自営業、フリーランスが不利になりやすいのは、収入が変動しやすい、あるいは途絶えやすいと見なされるためです。
もちろん、パートやアルバイトでも長期勤続で安定した収入があれば、審査に通るカードは多数あります。
これも安定性の指標です。勤続年数や居住年数が短い(一般的に1年未満)と、「すぐに職を辞めてしまうかもしれない」「また引っ越して連絡が取れなくなるかもしれない」というリスクがあると判断されがちでしょう。
転職直後や引っ越し直後の申し込みが不利になるのは、このためです。
消費者金融や銀行カードローンなど、他社からの借入額や件数が多いと、返済能力が圧迫されている(=他社に返済するだけで手一杯)と判断されます。
特に、貸金業者(消費者金融やカード会社のキャッシング枠)からの借入は、総量規制という法律で年収の3分の1までに制限されています。
この枠ギリギリまで借りていると、新たなカード発行(特にキャッシング枠の付与)は非常に難しくなるでしょう。
また、借入額が小さくても、借入件数が多いだけで「あちこちで借りなければならないほど、お金に困っているのでは?」と警戒され、審査落ちの原因となります。
持ち家(特に住宅ローン完済済み)であれば資産があると見なされ有利ですが、賃貸だからといって即不利になるわけではありません。
ただし、収入に対して家賃や住宅ローンの負担があまりにも大きいと、「カードの支払いに回す余裕がないのでは?」と判断される材料にはなります。
住所、氏名、勤務先の電話番号などを間違えて入力してしまうケースです。
特に勤務先の電話番号が間違っていると、在籍確認の電話ができず、「申告内容が確認できない」として審査落ちになることがあります。非常に単純ですが、意外と多いのがこのミスです。
審査に通りたい一心で、年収を多めに申告したり、勤続年数を偽ったり、存在しない勤務先を書いたりすることです。これは絶対にやってはいけません。
カード会社は何千何万という審査を行っているプロです。不自然な点があれば、収入証明書の提出を求められたり、信用情報と照合されたりして、ほぼ確実にバレます。
虚偽申告が発覚すれば、審査落ちになるだけでなく、そのカード会社やグループ会社のサービスは将来的に利用ができなくなる可能性があるでしょう。
そもそも「18歳以上(高校生不可)」「ご本人に安定した収入がある方」といった、カード会社が提示する最低限の申込基準を満たしていないケースです。
属性情報が現在の支払い能力だとしたら、信用情報はあなたの過去の金融行動を示す「成績表」です。
たとえ年収が高く、勤続年数が長くても、信用情報に問題があれば審査通過はできなくなるでしょう。
信用情報、通称「クレヒス(クレジットヒストリー)」とは、あなたが過去に契約したクレジットカードやローン、携帯電話の分割払いなどの契約内容や支払い状況(いつ、いくら借りて、きちんと返したか)を記録したものです。
これらの情報は、以下の3つの信用情報機関によって収集・管理されており、カード会社や金融機関は審査の際に必ずこの情報を照会します。
カード会社はこれらの情報を参照し、この人は過去に約束を守ってきたかどうかを判断するのです。
審査落ちの理由として最も重大なのが、この異動情報の登録です。これがいわゆるブラックリストに載る状態を指します。
以下のような金融事故を起こすと、信用情報に異動と登録されます。
異動情報が登録されている期間(事故内容によるが、完済や手続き完了から約5年〜10年)は、基本的に新しいクレジットカードやローンの審査に通ることはできません。
異動情報のような重大な事故ではなくても、審査に影響するのが短期の延滞です。
例えばCICの信用情報には、過去24ヶ月間の入金状況が記録されます。
支払日にきちんと入金されていれば「$」マークが付きますが、遅れると「A」マーク(未入金)、解消しても「P」(一部入金)などが記録されます。
この「A」マークが複数回あったり、直近で付いていたりすると、この人は支払いにルーズだと判断され、審査で不利になるでしょう。
見落としがちなのが、スマートフォン本体の分割払いです。これはローン契約(割賦販売)の一種であり、携帯料金の支払いと一緒に行われます。
携帯料金をうっかり延滞すると、このローン返済も延滞したことになり、信用情報に記録されてしまいます。
「審査に落ちたから、次!」「キャンペーン中だから、こっちも!」と、短期間(特に6ヶ月以内)に複数のカード会社に立て続けに申し込むと、申し込みブラックと呼ばれる状態になることがあります。
カード会社は信用情報を照会した際、「この人は短期間に何社も申し込んでいる」という事実を把握できます。
すると、「よほどお金に困っているのでは?」「キャンペーンのポイント目当てで、カードを使ってもらえないのでは?」と警戒され、審査が厳しくなってしまいます。
信用情報機関に、カードを申し込んだ履歴が残るのは6ヶ月間です。一度審査に落ちたら、この履歴が消えるまで待つのが賢明です。
意外かもしれませんが、過去の金融履歴が何もない状態も、審査落ちの原因になることがあります。
特に30代、40代以上でクレヒスが一切ない状態をスーパーホワイトといいます。カード会社からすると「これまでどうやって生活していたのか?」と判断が難しくなるでしょう。
最悪の場合、「過去に金融事故(自己破産など)を起こし、異動情報が消えるまでの5年〜10年を待った『喪明け』の人ではないか?」と疑われる可能性すらあります。
20代前半であれば、初めてのカードとしてホワイトなのは普通ですが、ある程度の年齢になってもクレヒスが全くないと、逆に信用されにくいという皮肉な状況が起こり得るのです。
審査に落ちた直後、あなたがどう動くかが、次の審査通過の明暗を分けます。「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を確認しましょう。
「ここでダメなら、あっちだ!」と、やみくもに別のカードに申し込むのは、多重申し込みへの最短ルートです。
申し込み履歴は6ヶ月間信用情報に残ります。短期間に申し込みが重なると、カード会社からは「この人、よほどお金に困っているな?」と警戒され、審査に通るものも通らなくなります。
「なぜ落ちたのか理由を教えてください」と電話やメールで詰め寄っても、カード会社は絶対に教えてくれません。
返ってくる答えは「総合的な判断により…」という定型文だけです。これは冷たい対応ではなく、審査の基準を公にしてしまうと不正利用につながる恐れがあるため、教えられないルールです。
審査に落ちて理由が知りたいなら、カード会社ではなく、信用情報機関に聞きましょう。
なぜ落ちたのかが記録されている可能性が高い信用情報を、自分で取り寄せて確認します。
主な信用情報機関は3つありますが、まずはクレジットカード会社や消費者金融の多くが加盟している「CIC」と「JICC」の2つを開示すれば、大半の原因は掴めます。
各機関のウェブサイトから、スマートフォンやPCを使ったネット開示が最も早くて簡単です(手数料も数百円〜1,000円程度)。郵送での請求もできます。
チェックポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
1つ目は「異動」の文字。これが載っていたら、それが原因です(いわゆるブラック)。
2つ目は入金状況の「A」マークや「P」マーク。直近で支払いの遅れがなかったかを調べましょう。
3つ目は「申込情報」。直近6ヶ月で何件申し込んでいるか(多重申し込みになっていないか)を調べましょう。
信用情報を開示してみた結果、異動も延滞もない、まっさらでキレイな状態だった、あるいは申し込み履歴が多すぎたという場合は、属性情報が原因です。
信用情報がシロだった場合は、自分の今の状況(属性)が、申し込んだカードの基準に達していなかったと推測できます。
原因が多重申し込みだった場合はもちろん、他の理由だったとしても、次のカード申し込みまでは最低でも6ヶ月は期間を空けてください。
これは、信用情報機関に登録された「カードを申し込んだ」という履歴が消えるのが6ヶ月だからです。
この冷却期間は、ただ待つだけではありません。もし属性情報(勤続年数や借入残高)に課題があるとわかったなら、この6ヶ月は「属性を改善する期間」です。
借入を少しでも減らす、転職せずに勤続年数を延ばすなど、できることを実行しましょう。
原因を特定し、6ヶ月の冷却期間を終えたら再挑戦です。次の申し込みは「石橋を叩いて渡る」くらいの慎重さが必要です。ささいなことで確率を下げるのは避けましょう。
キャッシング枠を希望すると、お金を借りる審査(貸金業法)が追加で発生し、審査のハードルが上がります。
クレジットカードの目的が買い物であれば、キャッシング枠は「0円」または「なし」で申し込むのが鉄則です。枠はカードを作った後からでも増額申請できるでしょう。
住所(番地やマンション名)、電話番号、勤務先情報。入力後に必ず見直し、誤字脱字ゼロで送信してください。うっかりで落とされるほど馬鹿らしいことはありません。
携帯電話番号だけでも問題ありませんが、もし自宅や勤務先に固定電話があるなら、記載しておくと「連絡が取れなくなるリスクが低い」という点で、ほんの少し信用度が上がると言われています。
信用情報がまっさらなスーパーホワイトだった人は、次の6ヶ月で信用を育てる必要があります。これをクレヒス修行と呼びます。
手っ取り早いのは、スマートフォンの機種変更時に本体代金を分割払いにすることです。
これはローン契約(割賦販売)であり、毎月きちんと支払えば、それが信用情報(CIC)に「$」マーク(きちんと入金した証)として記録されます。これを半年~1年続ければ、立派なクレヒスが完成するでしょう。
もし審査落ちしたのが2枚目以降で、すでに別のカードを持っているなら、そのカードを育てる意識を持ちましょう。
毎月少額(数百円のコンビニ利用でもOK)でもいいので必ず使い、絶対に延滞せずに支払う。私は信用できる人間ですという実績を作りましょう。
一度落ちたカード(あるいは同じ系列のカード)に再挑戦するのも手ですが、不安なら申し込むカードの選び方を見直しましょう。
いきなりゴールドカードやプラチナカードに申し込んでいませんでしたか?当然ですが、ランクが高いカードほど審査基準も厳しくなります。まずはスタンダードな一般カードで実績を積みましょう。
世の中には「審査が甘いカード」は存在しません。しかし、カード会社によって重視するポイントが異なるのは事実です。
流通系カード(スーパーやショッピングモール系)は自社の顧客を増やしたいため、主婦層や若年層にも比較的門戸が開かれていると言われます。
一方、消費者金融系カードは過去の金融事故(異動情報)には厳しいですが、独自の審査基準で現在の返済能力を重視する傾向があるとも言われています。
どのカードが自分に合っているか、改めて考えましょう。
今の時代、キャッシュレス決済はクレジットカードだけではありません。審査不要、あるいはクレカよりハードルが低い手段はいくらでもあります。
最強の代替手段です。 使った瞬間に銀行口座から即時引き落としされるため、審査は不要(※銀行口座開設は必要)。感覚は、現金に近いカードです。使いすぎの心配もなく、VISAやJCBのマークが付いていれば、世界中のクレカ加盟店で使えます。
SuicaやWAONのように、事前にお金をチャージして使うタイプです。チャージした分しか使えません。
PayPayや楽天ペイなど。銀行口座やデビットカードを紐付ければ、審査なしですぐに使えます。
もしご家族が安定したクレジットカードを持っているなら、家族カードが一番早いかもしれません。家族カードは、本会員の信用を元に発行されるため、申し込むあなた自身の審査は基本的にないのです。
クレジットカード審査落ちの通知は、確かにへこみます。「なぜ自分が?」と空を仰ぎたくもなるでしょう。
しかし、カード会社も慈善事業ではありません。必ず「今回は見送ろう」と判断した明確な理由があります。
焦らず、信用情報機関(CICなど)で自分の信用情報を開示し、原因を特定しましょう。
原因が過去の延滞なのか、短期間の申し込みすぎなのか、あるいは勤続年数などの属性が足りなかったのか。理由がわかれば、対策は打てます。
最低でも「申し込み履歴」が消える6ヶ月は期間を空けること。そしてその間に、借入を減らす、仕事を続けるといった属性を改善し、良好なクレヒスを育てる意識を持つことが重要です。
また、今すぐクレジットカードを持てなくても生活が終わるわけではありません。審査不要のデビットカードや、PayPayなどのスマホ決済があれば、キャッシュレス生活は十分に可能です。
審査落ちは単なる「今回の条件ミスマッチ」通知。この記事を参考に冷静に現状を分析し、次の一歩へ進んでいきましょう。