審査なし携帯おすすめ ブラックリストでも契約できる携帯比較サービス
  • 公開日:2026.02.04
  • 更新日:2026.02.03

もう孤立しない!更生保護施設での携帯電話利用

もう孤立しない!更生保護施設での携帯電話利用

社会での再出発を誓った人々が、その第一歩を踏み出すために身を寄せる場所、それが「更生保護施設」です。

これまで更生保護施設といえば、外部との不要な接触を断ち、過去の人間関係やしがらみから利用者を守るため、手紙の検閲や面会の制限、そして携帯電話・スマートフォンの所持禁止といったルールが設けられるのが一般的でした。

共犯者との連絡や新たなトラブルを未然に防ぎ、施設内の秩序を維持するためには、必要な措置だと考えられてきました。

本コンテンツは誰モバ事務局が独自の基準に基づき制作しております。ECサイト、メーカー、キャリア等から送客手数料を受領しています。このページにはPRリンクが含まれております。

なぜ今までダメだったのか?更生保護施設と携帯電話の歴史

現代の社会復帰においてスマートフォンはとても重要です。しかし、全国のほとんどの更生保護施設で携帯電話の所持が原則として禁止されてきました。

それは、利用者の更生を第一に考えた結果の、保護と規律の観点から導き出された、長年のルールだったからです。

大きな理由として挙げられるのが、「外部との安易な連絡によるトラブルの防止」と「施設内の規律維持」です。

更生保護施設の利用者は、過去の人間関係が原因で再び道を踏み外してしまうケースが少なくありません。

例えば、かつての仲間からの誘いや、金銭トラブルの相手からの接触などが、社会復帰への妨げとなる可能性があります。携帯電話は、こうした望ましくない関係と容易に繋がることを可能にしてしまいます。

そのため、施設側が手紙や面会といった外部との交流を管理下に置くことで、利用者をこうしたリスクから物理的に隔離し、更生に集中できる環境を整える必要があったのです。

外部からの情報をある程度遮断し、規則正しい生活リズムを取り戻させること。それ自体が、社会復帰に向けた重要なプロセスの一部だと考えられていました。

共犯者との連絡や、新たな犯罪への加担リスク

携帯電話の禁止を正当化する最も深刻な懸念が、「共犯者との連絡や、新たな犯罪への加担リスク」です。

組織的な犯罪に関わっていた場合、携帯電話を使って口裏合わせを行ったり、証拠隠滅を図ったりする恐れがあります。

また、特殊詐欺や薬物事犯などにおいては、携帯電話がまさに犯罪のツールとして使われることも少なくありません。

出所後、再び犯罪組織と接触し、新たな犯行に加担してしまう…。こうした再犯のリスクを根本から断ち切るために、その入り口となり得る携帯電話を一律で禁止するという措置は、再犯防止の観点から極めて合理的かつ重要なルールだと見なされてきたのです。

しかし、これらの禁止する理由は、社会構造の変化とともに、その妥当性が揺らぎ始めます。

かつて一部の人のものであった携帯電話は、今や小学生から高齢者までが持つ生活インフラになりました。

仕事探し、住居の契約、行政手続き、家族との連絡、日々の情報収集。私たちの生活は、スマートフォンなしでは成り立たないでしょう。

この変化は、更生保護の現場に大きなジレンマをもたらしました。再犯防止のために携帯電話を禁止するというルールが、利用者の社会復帰を阻害し、経済的な困窮や社会的な孤立を生み出す原因となり始めたのです。

情報を得られないために仕事に就けず、社会との繋がりを失った結果、再び犯罪に手を染めてしまう。これでは本末転倒です。

規律と保護を目的としたルールが、結果的に利用者を社会から突き放し、更生の機会を奪ってしまう。この矛盾が、更生保護施設と携帯電話の関係性を見直す、大きな転換点となりました。

社会復帰に不可欠なツールとして携帯電話が持つ多面的な価値

具体的に現代の社会復帰において、携帯電話・スマートフォンは単なる便利な道具という言葉では片付けられない、多面的な価値を持っています。

その価値を3つの側面に分けて掘り下げていきます。

求職活動

第一に、「求職活動」という社会復帰の最初の関門を突破するための生命線です。

現代の仕事探しは、そのほとんどがインターネット上で行われます。求人サイトを閲覧し、企業の情報を収集し、オンラインで応募します。

ハローワークに足を運んだとしても、多くの情報はオンラインで管理されており、スマートフォンがあればその場で気になる求人を保存し、後でじっくり検討できます。

さらに応募後の企業との連絡手段としても必要です。書類選考通過の連絡、面接日程の調整、合否の通知など、その多くは電話やメールで行われます。

施設の公衆電話や職員を介した連絡では、どうしてもタイムラグが生じてしまい、「すぐに折り返してください」といった急な要請に対応できません。

このわずかな遅れが、採用の機会を逃す要因になるかもしれません。自らの手元に連絡手段があるかないかは大きな違いです。

コミュニケーションツール

第二に、利用者の「孤立を防ぎ、心を支えるコミュニケーションツール」としての価値です。

更生において最も重要な支援の一つは、本人を社会的に孤立させないことです。罪を償い、新たな人生を歩もうとする時、心の支えとなるのは家族や信頼できる支援者の存在です。

携帯電話があれば、遠方に住む家族とも顔を見ながら話せます。不安な時に保護司や施設の担当者にすぐに相談できます。

「今日、面接で手応えがあったよ」といった小さな成功を分かち合うこともできます。

この「いつでも繋がれる」という安心感は、孤独感や社会からの疎外感を和らげ、更生へのモチベーションを維持する上で計り知れない効果を持ちます。

携帯電話は、人と人との繋がりを維持し、心を支えるための強力なツールです。

情報インフラ

第三に、自立した社会生活を再建するための「情報インフラ」としての役割です。社会復帰の過程では、役所での様々な手続きが求められます。

住民票の取得、健康保険への加入、各種福祉サービスの申請など、その手続きは複雑で、必要な書類や窓口の時間などを事前に調べなければ二度手間、三度手間になりかねません。

また、住居を探す際にも、不動産情報サイトでの物件検索や、不動産会社との連絡はスマートフォンがなければ著しく困難になります。

その他にも、慣れない土地での移動を助ける地図アプリや交通機関の乗り換え案内など、日常生活のあらゆる場面でスマートフォンは必要とされます。

これらの情報に自由にアクセスできることは、自立の第一歩と言えるでしょう。

求職活動、人との繋がり、そして生活再建。
これら全てにおいて、携帯電話はもはや贅沢品ではなく、社会復帰を目指す人々にとっての必需品であり、その権利にも近いものとなっています。

自由と規律のバランスをどう取るか?ルールとサポート

更生保護施設での携帯電話の利用解禁は、社会復帰を目指す人々にとって大きな希望となる一方、「本当に大丈夫なのか」「トラブルや再犯に繋がるのではないか」といった懸念の声が上がります。

しかし、利用解禁は、単に自由を与えるものでは決してありません。具体的なルールと、それを支える手厚いサポート体制にあります。

まず不可欠なのが、利用ルールの策定です。共同生活の秩序を保ち、利用者をリスクから守るためのハードな対策と言えます。

例えば、多くの施設では利用時間や場所、機能の制限を設けたり、利用状況をモニタリングしたりしています。

また、ルールやシステムといったハード面の対策以上に重要なのが、職員によるソフト面のサポート体制です。

職員は監視者ではなく、利用者が正しく使いこなせるよう導かなければなりません。

定期的な面談を通じて、「求職活動は順調か」「SNSで嫌な思いをしていないか」といったヒアリングを行い、困りごとがあれば一緒に解決策を考えます。

スマートフォンへの過度な依存の兆候が見られれば、その背景にある孤独や不安に寄り添い、カウンセリングに繋ぐこともできます。こうしたサポートがあるからこそ、社会復帰のために活用できるのです。

情報リテラシー教育

最終的なゴールは、施設を出た後、利用者自身が責任を持ってスマートフォンをコントロールできるようになることです。
そのために不可欠なのが、情報リテラシー教育です。

インターネット上に溢れる情報の真偽を見抜く力、SNSに潜むリスクを理解し、個人情報を守る知識、ネット上のコミュニケーションでトラブルを避ける方法など、主体的に学ぶ機会を提供します。

スマートフォンは便利なツールであると同時に、一つの社会です。その社会で生き抜くためのスキルを身につけさせることこそ、本当の意味での自立支援と言えるでしょう。

職員たちの視点 現場の負担と新たな可能性

更生保護施設での携帯電話利用という変革は、利用者本人に大きな影響を与えるだけでなく、日々彼らを支える施設職員の業務にも、これまでにない変化をもたらしています。

携帯電話の利用を許可することは、職員の業務負担を増加させます。

なぜなら、利用者全員がスマートフォンをスムーズに使いこなせるわけではないからです。

特に、長期間社会から離れていた人にとっては、スマートフォンの初期設定や基本操作から教える必要があります。これは、これまでにはなかった全く新しい業務です。

さらに、フィルタリングサービスの設定や管理、利用ルールの遵守状況の確認、そして何より懸念されるのがトラブルへの対応です。

インターネットを通じたいじめや金銭トラブル、有害情報へのアクセス、スマートフォンへの過度な依存など、予測されるリスクは多岐にわたります。

万が一、利用者が共犯者と連絡を取るような事態が起これば、その責任の一端は施設側にも向けられかねません。

こうした新たなリスク管理と、それに伴う精神的なプレッシャーは、職員にとって決して軽いものではないでしょう。

連絡の取次ぎ役からの解放

しかし、多くの職員は、こうした新たな負担を上回るメリットと可能性を感じています。それは、職員が「連絡の取次ぎ役」から解放されたことです。

これまで求人先からの面接日程の連絡や、家族からの伝言などを、すべて職員が一旦受け止め本人に伝えていました。

これが利用者が直接やり取りできるようになったことで、職員はより本質的な支援業務に集中できるようになったのです。

例えば、これまでは「A社から電話がありましたよ」と伝えるだけだったのが、「A社との面接、どうだった?」「次の準備はどうする?」といった、一歩踏み込んだ対話が生まれます。

利用者が自ら行動した結果を共有してもらうことで、職員は本人の状況をより深く、そしてリアルタイムに把握できるようになりました。これは支援の質を格段に向上させる大きな変化です。

この変化は、最終的に「利用者の自立を促し、より効果的な支援に繋がる」という大きな期待へと繋がっています。スマートフォンを自らの責任で管理し、社会生活に必要なツールとして活用する。

このプロセスそのものが、実践的な自立訓練となります。職員の役割は、ただ見張る監視者から、利用者自身が問題を解決できるよう導くコーチへと変わっていきます。

残された課題と、社会が向き合うべきこと

更生保護施設における携帯電話の利用を日本全国に広げていくために、残された課題があります。

費用は一体誰が負担するべきなのか

最も大きな課題が、費用負担の問題です。スマートフォン本体の購入代金、毎月の通信費、そして安全な利用に不可欠なフィルタリングサービスの月額料金。

出所したばかりで所持金も乏しく、すぐに安定した収入を得るのが難しい利用者にとって、これを全額自己負担することは極めて困難です。

施設側が負担するにも限界があります。公的な助成制度も現状では十分とは言えません。

もし、経済的な事情によってスマートフォンを持てる人と持てない人が出てくれば、それは施設内、あるいは施設間で「新たな情報格差」を生み出すことになり、更生の機会の不平等に繋がりかねません。

この経済的な壁をどう乗り越えるかは、全国普及に向けた最大の論点の一つです。

情報リテラシー教育の標準化

次に、「情報リテラシー教育の標準化」という課題があります。スマートフォンは、使い方を誤ればトラブルや犯罪に繋がるリスクも孕んでいます。

そのため、利用者に安全な使い方を教える情報リテラシー教育は、利用許可と必ずセットでなければなりません。

現在は、先進的な施設がそれぞれ手探りで教育プログラムを構築している段階ですが、今後は全国どの施設でも一定水準の教育が受けられるよう、国や専門機関が主導して、標準化されたカリキュラムや教材を開発・提供していく必要があります。

再犯防止と人権

これらの課題の根底には、私たち社会全体が向き合うべき、より本質的な問いが存在します。

それは、再犯防止と人権という二つの価値を、どう捉え、どう両立させていくかという問題です。

一方には、「再犯防止のためには、リスクとなり得る外部との接触は厳しく管理・制限すべきだ」という意見があります。これは、社会の安全を守るという観点から、説得力を持つ考え方です。

しかしもう一方では、「罪を償った人が社会の一員として復帰する権利、そのために必要な情報を得る権利は、人権として尊重されるべきだ」という意見もあります。

スマートフォンを持てないことで社会から孤立し、結果的に再び罪を犯してしまうのであれば、それは誰にとっても不幸なことです。

どのように社会に再び迎え入れるのか

この問題は、単なる更生保護施設内の一ルールに留まりません。

彼らを社会から隔離し続けるのか、それとも、社会との繋がりを維持するためのツールを提供し、信じて見守るのか。

携帯電話の利用支援を、目先のコストやリスクとして捉えるのではなく、長期的に見て再犯防止という社会全体の利益に繋がる、未来への投資として考えることはできないでしょうか。

再び社会の一員として自らの足で歩み出すために

更生保護施設における携帯電話の利用は、単なる利便性の向上や、時代の流れに合わせただけの取り組みではありません。

仕事を探す自由、家族と繋がる自由、社会生活に必要な情報を得る自由。

これらは、現代社会を生きる上で誰もが当たり前に享受している権利であり、罪を償った一人の人間が、尊厳を回復し、再び社会の一員として自らの足で歩み出すための、決定的な一歩です。

この記事の監修者

湖尻純(こじり じゅん)

湖尻純(こじり じゅん)

だれでもモバイル株式会社 代表取締役

「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。