湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
「生活保護を受給しているから、賃貸審査に通らないのではないか…」
「すでに何件も不動産会社に断られて、家が見つからず辛い思いをしている…」
このように、住まい探しに困難を感じている方は少なくありません。
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まず知っておいていただきたいのは、「生活保護受給者=入居NG」では決してない、ということです。
むしろ、大家さん(物件オーナー)の視点に立てば、生活保護受給者は非常に優良な入居者となり得ます。
なぜなら、家賃は国(自治体)から住宅扶助として、上限額の範囲内で確実に支払われるからです。
失業や転職で収入が途絶え、家賃が滞納するリスクが低いので大家さんにとって安定した収入源とも言えます。
では、なぜ審査に落ちてしまうのでしょうか。そこには生活保護だからという単純な理由ではなく本当の理由が存在します。
賃貸審査は、一般的に以下のような流れで進みます。
入居申込 → 不動産会社 → 管理会社 / 大家・保証会社 → 審査 → 契約
私たち入居希望者が直接やり取りするのは不動産会社です。しかし、不動産会社はあくまで仲介役にすぎません。
最終的な入居可否の判断は、大家(オーナー)と家賃保証会社の2者で行います。
たとえ不動産会社の担当者が「ぜひ入居してほしい」と思ってくれても、この2者のどちらかが「NO」と言えば、審査は通りません。
したがって、対策を立てるには、この2者が何を懸念しているのかを知る必要があります。
まず、大家さんや物件の管理会社が懸念するポイントは家賃支払い能力以外の、感情面やリスク管理面の不安です。
1つ目は孤独死・病死のリスクです。
特にご高齢の方や単身者の場合、「室内で万が一のことがあったら…」という不安を抱かれます。孤独死が発生すると、その物件は事故物件扱いとなり、その後の資産価値が大きく下がるため、非常に敏感になるポイントです。
2つ目は近隣トラブルへの懸念です。
生活保護受給者=素行が悪い、といった根強い偏見が一部に存在します。入居後に他の住民とトラブルを起こさないか、という点を懸念されることがあるでしょう。
3つ目は家賃滞納以外のトラブルです。
家賃の支払いは安定していても、生活マナーに関するトラブルを心配する大家さんもいます。「ゴミ出しのルールを守らない」「夜中に騒音を出す」といった問題は、他の優良な入居者の退去にも繋がるためです。
4つ目は過去の同様の入居者とのトラブル経験です。
これは大家さん側の事情ですが、過去に生活保護受給者の入居者と何らかのトラブル(上記のいずれか)を経験した結果、「今後は生活保護の方は一律でお断りする」と決めてしまっているケースです。
大家さんの懸念をクリアできても、現代の賃貸契約では、家賃保証会社の審査通過がほぼ必須です。
そして多くの場合、審査落ちの原因はここにあります。
保証会社が生活保護だからという理由だけで審査を落とすことは(表向き)ありません。
彼らが見ているのは、あなたの個人の信用情報(クレジットヒストリー)です。
生活保護を受給するに至った経緯の中で、以下のような金融事故の履歴が信用情報機関(CICなど)に残っていないでしょうか。
もし、信用情報(クレヒス)の傷がある場合、保証会社は家賃の支払い能力ではなく、契約を遵守する信用度に問題があると判断します。これが、審査落ちの最も一般的な本当の理由です。
まずは、ご自身が以下の特徴に当てはまっていないか、チェックしてみてください。これらを認識するだけで、対策が見えてきます。
生活保護の受給に至る過程で、やむを得ずクレジットカードや携帯料金の支払いを延滞したり、自己破産をしたりした場合、その履歴が信用情報に残っています。
これがあると、信販系の保証会社(後述)の審査通過は絶望的になるでしょう。
多くの物件で緊急連絡先は必須です。
これは家賃滞納時の請求先というより、「万が一、室内で倒れていたら」「安否確認が取れない」といった場合の連絡先として設定されます。
親族が高齢であったり、疎遠であったりして頼める人がいない場合、審査の大きな壁となるでしょう。
審査は、属性(収入や信用情報)だけで決まるわけではありません。人柄も重要な審査項目です。
不動産会社を訪問する際の服装がだらしなかったり、言葉遣いが横柄だったりすると、「この人は入居後にトラブルを起こしそうだ」と判断され、審査以前の段階で断られてしまいます。
大家さん側の懸念(孤独死、トラブル)に対し、何かあっても役所(ケースワーカー)がサポートしてくれるという体制は、強力な安心材料になります。
不動産会社にケースワーカーの連絡先を伝えていなかったり、連携がスムーズにいかない印象を与えたりすると、大家さんを不安にさせ、審査に通りにくくなるでしょう。
審査が厳しい物件(新築、タワマン等)ばかり選んでいる
住宅扶助の上限額内であっても、新築、築浅、タワーマンション、人気の分譲賃貸などは、大家さんが「より属性の良い人を選びたい」と考えるため、審査基準が非常に厳しく設定されています。
こうした物件ばかりを選んでいると、当然ながら審査落ちが続くでしょう。
現在、賃貸契約では連帯保証人を立てる代わりに、家賃保証会社の利用を必須とする物件が9割以上です。この保証会社の審査を突破しなければなりません。
保証会社には大きく分けて3つの系統があり、それぞれ審査基準が全く異なります。
信販系保証会社の特徴としては、クレジットカード会社やその関連会社が運営していることが挙げられます。審査の際に必ず個人信用情報機関(CIC)を照会するでしょう。
過去5年以内にクレジットカード延滞、携帯料金滞納、自己破産などの金融事故、いわゆるクレヒスに傷がある状態の場合、審査通過はほぼ不可能です。
該当する方は、信販系保証会社の物件は最初から避けましょう。
LICO系の保証会社の特徴としては、LICC(全国賃貸保証業協会)という業界団体に加盟していることが挙げられます。
CICの信用情報は見ませんが、代わりにLICCのデータベースに登録されている「家賃の滞納歴」を照会するでしょう。
過去にLICC加盟の保証会社を利用し、家賃を滞納した履歴がある場合は審査が厳しくなります。金融事故はなくても、家賃滞納歴がある方は注意が必要です。
独立系保証会社の特徴としては、上記のいずれにも属さず、独自の基準で審査を行うことが挙げられます。
CICの信用情報も、LICCの滞納歴も見ない(または重視しない)ケースが多いのが特徴です。
過去に金融事故や家賃滞納歴がある方でも、審査に通る可能性が十分にあります。生活保護受給者がまず狙うべきは、独立系保証会社を利用している物件です。
どの保証会社を使っているかは不動産会社が把握しているため、正直に事情を話し、独立系の会社が使える物件を紹介してもらいましょう。
賃貸審査に落ちる「大家さんの懸念」と「保証会社の信用情報チェック」のハードルを越えるには、不動産会社の選び方にあります。
大げさではなく、物件探しは「どの不動産会社を選ぶか」で9割決まると言っても過言ではありません。
不動産会社は、物件を借りたい人と、物件を貸したい人との間に立つ橋渡し役です。
残念ながら、不動産会社の中には生活保護受給者の対応に慣れていなかったり、知識不足や偏見から「生活保護」と聞いただけで「難しいですね」と断ったりする会社も存在します。
そうした会社に当たってしまうと、本来なら審査に通るはずの物件にさえ、挑戦することすらできません。
一方で、生活保護に強い不動産会社は、審査を通過させるためのノウハウを持っています。
つまり、生活保護の賃貸審査は、どの橋渡し役を選ぶかにかかっているのです。あなたのことを親身になって大家さんに推薦してくれる味方を見つけることが、成功への近道です。
では、どうすれば生活保護に強い不動産会社を見つけられるのでしょうか。見極めのポイントはシンプルです。
まず、インターネットで探す際は、「生活保護者歓迎」「福祉に強い」といったキーワードで検索します。そうした文言を掲げている会社は、対応に自信がある証拠です。
最も重要なのは、電話や訪問時の「最初の対応」です。あなたが「生活保護を受給している」と伝えた時の反応に注目してください。
NG例: 「あー、生活保護ですか…(少し間が空いて)ちょっと難しいですね」「物件、ほとんどないですよ」 → このような反応をされたら、粘っても無駄です。すぐに次の会社を探しましょう。
OK例: 「はい、大丈夫ですよ。いくつかご紹介できる物件があります」「ケースワーカーさんとはお話しされていますか?」 → このように、即座に肯定的な返事をし、具体的な次のステップ(物件紹介やケースワーカーとの連携)の話に進む担当者はプロです。
また、担当者が生活保護の仕組み、特に住宅扶助や初期費用が役所から支払われることを正しく理解しているかも重要です。あなたが一から説明しなければならないような会社は避けた方が賢明でしょう。
信頼できる不動産会社を見つけたら、今度はあなたが信頼できる入居者であることを示す番です。
隠し事をせず、正直に情報を提供することが、担当者との信頼関係を築き、審査通過率を上げることにつながります。
以下の情報は、必ず相談の最初に伝えてください。
1つ目は「生活保護を受給している(または申請中)」であることです。これを隠して話を進めても、申込時に必ず分かり、お互いの時間が無駄になります。
2つ目は担当ケースワーカーの氏名と連絡先です。「役所としっかり連携が取れている」ことをアピールでき、大家さんへの安心材料になります。
3つ目は支給が決定している「住宅扶助の上限額」です。あなたが探せる家賃の上限が決まるため、必須の情報と言えます。
4つ目は緊急連絡先になってくれる人の有無(氏名・連絡先・続柄)です。 緊急連絡先は審査の大きな壁の一つです。頼める人がいるかいないかを正直に伝えましょう。
5つ目は過去の金融事故や家賃滞納の有無です。非常に言いにくいことですが、これは絶対に正直に伝えてください。
金融事故歴がある場合、信販系保証会社は100%通りません。この情報を伝えることで、担当者は独立系保証会社が使える物件だけをピックアップして紹介してくれます。
審査通過率を格段に上げるための具体的な4つのステップをご紹介します。
物件探しではスピード感が命です。「この物件にしたい」と思った瞬間に申し込めるよう、必要書類は事前に完璧に揃えておきましょう。
書類が揃っておらず、「後日持ってきます」となると、その間に他の入居希望者に物件を取られてしまう可能性があります。
以下の書類はクリアファイルなどにまとめて持参しましょう。
これらが訪問時にビシッと揃っているだけで、不動産会社の担当者や大家さんに「しっかりした信頼できる人だ」というポジティブな第一印象を与えることができます。
大家さんが家賃滞納以外で最も懸念する点が、孤独死や近隣トラブルです。
この不安を解消するために、「自分は一人ではない」「公的なサポート体制がある」ことをアピールするのが非常に効果的です。
まず、物件探しを始める前に、担当のケースワーカーに「家探しを始める」と報告・相談しておきましょう。
その上で、不動産会社には「担当の〇〇さん(ケースワーカーの氏名)とは密に連携が取れています。
何かあればすぐに役所とも連絡が取れる体制です」と明確に伝えてください。この一言が、大家さんにとっては何よりの安心材料となります。
審査で大きな壁となるのが、緊急連絡先の確保です。 まず理解すべきは、緊急連絡先は連帯保証人ではありません。
家賃の支払い義務を負うものではなく、主な役割は「本人と連絡が取れない」「室内で倒れているかもしれない」といった万が一の際の安否確認です。
とはいえ、親族と疎遠であったり、高齢で頼めなかったりするケースも多いでしょう。
その場合の対処法は以下の通りです。
1つ目は友人・知人に頼むことです。事情を説明し、あくまで安否確認のための連絡先であり、金銭的な責任は発生しないことを伝えて承諾を得ましょう。
2つ目はNPO法人や支援団体に頼むことです。 居住支援を行っているNPOや社会福祉協議会が、緊急連絡先を引き受けてくれる場合があります。
3つ目は緊急連絡先代行サービス(有料)です。有料で連絡先を提供する民間のサービスもありますが、利用可能か不動産会社に確認が必要です。
4つ目は(最終手段)自治体(ケースワーカー)に相談です。どうしても見つからない場合、福祉事務所(ケースワーカー)に事情を話し、自治体として対応できないか、または利用できる支援団体を紹介してもらえないか相談してみましょう。
賃貸審査は「属性(収入や信用情報)」+「人柄」で総合的に判断されます。いくら住宅扶助という安定収入があっても、大家さんが「この人に貸すのは不安だ」と感じれば、審査は通りません。
特に、不動産会社への訪問時や、物件の内見(大家さんが立ち会うこともあります)での印象は重要です。
1つ目は清潔感のある身だしなみです。洗濯された清潔な服を着用し、寝癖などは整え、最低限の清潔感を心がけましょう。
2つ目は丁寧な言葉遣い、ハキハキとした受け答えです。挨拶をしっかりする、質問には「はい」「いいえ」で明確に答える、感謝を伝える。
「この人ならルールを守って綺麗に住んでくれそうだ」「安心して貸せる」と大家さんや管理会社に思わせることが、契約を勝ち取るための最後の重要なひと押しとなります。
A. 独立系保証会社なら、過去の金融事故(自己破産含む)を審査基準に含めないため、通過できる可能性は十分にあります。
重要なのは、事実を隠さずに不動産会社に正直に話すことです。信販系の保証会社を避け、独立系が使える物件を紹介してもらいましょう。
A. まずは担当のケースワーカーに「緊急連絡先が用意できない」と明確に相談してください。自治体によってはNPO法人や社会福祉協議会と連携し、支援してくれる場合があります。
また、数は少ないですが緊急連絡先不要の物件や、有料の代行サービスが使える物件もあるでしょう。これらも生活保護に強い不動産会社なら情報を持っています。
A. それは説明の仕方と、不動産会社の力量不足が原因です。あなたは無職なのではなく、国から住宅扶助という家賃分の安定収入が保証されています。
これは失業リスクのある一般の会社員より確実だとさえ言えるでしょう。この強みを理解せず、大家さんを説得できない不動産会社とは縁を切り、生活保護に強いプロの不動産会社を探し直しましょう。
民間の賃貸住宅がどうしても見つからない場合、以下のセーフティネットを頼ることも検討してください。
生活保護受給者は入居の優先度が高くなる場合があります。ただし、希望エリアに空きがあるか、抽選になるか、入居までどれくらい待つかなど、自治体によって状況が異なります。まずは福祉事務所で情報を確認しましょう。
「これだけ探しても見つからない」と現状を具体的に報告し、役所が連携している不動産会社や支援団体がないか、強く相談してみましょう。
居住支援法人(住宅確保要配慮者居住支援法人)とは、生活保護受給者や高齢者、障害者など、家探しが難しい人(住宅確保要配慮者)の入居を専門にサポートするNPOや株式会社のことです。物件の紹介から入居後の見守りまで行ってくれる場合もあります。