湖尻純(こじり じゅん)
だれでもモバイル株式会社 代表取締役
「審査不要・保証人不要でも誰でもスマホを持てる社会」を目指し、通信業界に新しい選択肢を提供。いわゆる携帯ブラックと呼ばれる方々にも通信インフラを提供できるよう、レンタルスマホやMVNO事業の改革に取り組んできた第一人者。現在は、生活保護受給者や生活に困難を抱える方々に向けて、家具・賃貸・通信など生活基盤を支えるサービスをワンストップで展開。
「自分は受給できる条件に当てはまるの?」
「いったい、いくらもらえるんだろう?」
「申請はどこで、どうやってするの?」
「持ち家や車があったら、絶対に無理?」
生活保護制度の正しい知識を、どこよりも分かりやすく、そして詳しく解説します。
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生活保護を受けることは、特別なことでもましてや施しを受けることでもありません。これは、日本国憲法第25条で全ての国民に保障された、正当な「権利」です。
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(日本国憲法第25条)
この条文が示す通り、国には生活に困窮する国民の生活を保障する責任があります。
つまり、あなたが生活保護を申請し受給することは、国民として当然の権利を行使することに他なりません。決して肩身の狭い思いをする必要はないのです。
生活保護という言葉を聞くと、ネガティブなイメージが先行してしまうかもしれません。しかし、その多くは誤解に基づいています。
→いいえ、違います。
生活保護は、病気や障害、高齢、ひとり親家庭で幼い子供の世話が必要など、様々な事情で「働きたくても働けない」「収入がどうしても足りない」人々を支えるための制度です。働く能力がある場合は、その能力を活用することが求められますが、それは自立に向けた支援とセットで行われます。
→間違いです。
生活保護の本来の目的は、生活を保障するだけでなく、受給者が再び自分の力で生活を立て直せるように「自立を助長すること」にあります。ケースワーカーによる就労支援などを活用し、多くの人が生活を再建して受給を終えています。
あくまで、人生を立て直すための「一時的なステップ」と捉えるべき制度です。
「もし生活保護を受けたら、毎月いくらもらえるのだろう?」これは、誰もが抱く最も切実な疑問の一つです。
生活保護で支給される金額は、全国一律ではありません。それは、生活に必要なお金が、住んでいる場所や家族の状況によって大きく異なるためです。
この、国が「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために必要と定めた基準額を「最低生活費」と呼びます。
最低生活費は、主に2つの要素で構成されています。
1つ目は生活扶助です。食費、光熱費、衣類、日用品など、日々の暮らしに必要なお金です。世帯の人数や年齢によって基準額が細かく決められています。
2つ目は住宅扶助です。アパートなどの家賃です。決められた上限額の範囲内で、実際に支払っている家賃額が支給されます。(多くの自治体では、大家さんへ直接支払われます)
この2つの扶助を合計したものが、あなたの世帯の「最低生活費」の基本となるでしょう。
実際に支給される保護費は、以下の式で計算されます。
支給される保護費 = 最低生活費(生活扶助+住宅扶助) - 世帯全員の収入
最低生活費の基準は、物価や家賃相場に応じて地域ごとに差がつけられています。これを「級地制度」と呼びます。
都市部は「1級地-1」から始まり、地方の郡部などは「3級地-2」というように、全国が6つの等級に分類されており、等級が高いほど基準額も高くなります。
「少しでもパート収入があったら、その分だけ保護費が減るの?」という心配をされる方がいますが、働いて得た収入がある場合、その全額が保護費から差し引かれるわけではありません。
働く意欲を支えるための「勤労控除」という仕組みがあります。
給与収入から、税金や社会保険料、交通費などの実費に加えて、収入額に応じた一定額が「控除」として差し引かれます。
その控除後の金額が「収入認定額」として扱われ、最低生活費から引かれます。
最低生活費:13万円
パート収入:5万円 の単身者の場合
収入5万円から勤労控除(約18,000円〜)などが引かれます。
収入認定額: 50,000円 – 18,000円 = 32,000円
支給される保護費: 130,000円 – 32,000円 = 98,000円
→ 世帯の総収入: 50,000円(給与)+ 98,000円(保護費)= 148,000円
このように、働いていない場合(13万円)よりも、働いた方が世帯の手取り収入は必ず多くなるように設計されています。
これは、生活保護を受けながら、少しずつ自立を目指していくことを応援するための大切な仕組みです。
生活保護の支援は、毎月の「生活費(生活扶助)」と「家賃(住宅扶助)」の支給だけではありません。
病気や出産、子どもの進学といった人生の様々な場面に対応するため、目的別に合計8種類の扶助が用意されています。
8つの扶助について、どのような場合に利用できるのかを見ていきましょう。
8つの扶助に加え、生活保護を受給することで、これまで支払っていた税金や公共料金などが免除・減額されるという大きなメリットがあります。
これにより、毎月の金銭的な負担が大幅に軽くなります。
以下が、その代表的なものです。
その他、自治体によっては粗大ごみの手数料免除など、独自の減免制度が設けられている場合があります。
「生活保護を申請するには、全ての財産を失わないといけないのでは?」
これは、生活保護にまつわる最も大きな誤解の一つであり、多くの人が相談へ踏み出せない原因となっています。
結論から言うと、「無一文にならないと申請できない」というのは間違いです。もちろん、生活に活用できる資産がある場合は、それを優先的に使うのが原則です。
しかし、生活を維持するために必要不可欠な資産については、一定の条件下で保有が認められるケースがあります。
持ち家がある場合、原則として「資産価値が高い」と判断されれば売却し、生活費に充てるよう指導されます。しかし、以下のようなケースでは、住み続けることが認められる可能性があります。
ローン返済中の家は、売却しても手元にお金が残らないことが多いため、資産価値が低いと見なされます。この場合、ローンの返済は自己負担となりますが、生活扶助費の中から返済を続けながら住むことが認められる場合があります。
家の老朽化が進んでいる、辺鄙な場所にあるなどの理由で、売却しても大した金額にならないと判断されれば、保有が認められることがあります。
例えば、持ち家を売って賃貸住宅に移ると、その家賃(住宅扶助)が家の資産価値よりも高くなってしまうなど、社会通念上、住み続ける方が本人の自立に役立つと判断されれば保有が認められます。
自動車は資産価値が高く、維持費(ガソリン代、税金、保険料)もかかるため、原則として保有は認められません。売却して生活費に充てるよう指導されます。
ただし、これも絶対ではありません。
以下のような「生活に不可欠」な事情がある場合は、例外的に保有が認められることがあります。
いずれの場合も「ないと生活が成り立たない」ことを客観的に証明する必要があります。
生命保険に加入している場合、ポイントとなるのは「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」の額です。
解約が必要な保険は、貯蓄型の保険などです。
解約した際にまとまったお金(解約返戻金)が戻ってくる場合、その金額が概ね「最低生活費の3ヶ月分」など、一定額を超える場合は解約して生活費に充てるよう指導されます。
一方継続が認められる保険は、解約返戻金がほとんどないか、非常に低額な「掛け捨て型」の医療保険やがん保険です。
これらの保険は保険料が家計を圧迫しない範囲であれば、継続が認められるケースが多いです。
預金は0円にしないといけないと思われがちですが、これも違います。急な出費(冠婚葬祭、子どもの学用品購入など)に備えるため、一定額の預貯金の保有は認められています。
その基準は自治体によって多少異なりますが、一般的に最低生活費の半額(0.5ヶ月分)程度までであれば、保有が認められることが多いです。
このように、資産に関するルールは一律に「ダメ」と決まっているわけではありません。
「自分の場合はどうだろう?」と悩んだら、自己判断で諦めてしまう前に、必ず福祉事務所の窓口で正直に事情を話し、相談することが何よりも大切です。
生活保護は、決して人生の「終わり」や「敗北」ではありません。むしろ、それは人生を立て直すための、国が用意した公的な「きっかけ」であり「足がかり」です。
病気やケガをしたら、治るまで病院で休み、治療に専念します。
それと同じように、生活がどうしようもなく苦しくなったら、一旦この制度を使って心と体を休め、経済的な安定を取り戻してください。
そして、十分に元気を取り戻してから、またあなたらしい人生をゆっくりと歩み出せば良いのです。