生活保護で稼げる収入はいくらまで?収入の基準と申告について

生活保護は憲法で定められている「最低限度の生活」を営む権利を保証してくれる制度になります。国が定めた一定の条件を満たした「最低生活費に満たない収入」の人を自立することができるように生まれた制度の一つになります。

一定条件以上の収入を得ている人は支給はされないという制度になるため、支給要件になる収入金額がいくらになるのかを把握することが大切です

生活保護受給者の収入条件について

生活保護をうけるための条件は、「厚生労働大臣が定める基準に現在の収入が最低生活費に満たない」ことになります。 厚生労働省では生活保護をうける条件として以下のように記載があります。
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
生活保護を受けるには、資産を持っているとうけることができないため資産をすべて売却している必要があります。 例えば、自家用車、貴金属、家財道具で勝ちがあるもの、住宅ローンが残った住宅等も全て売る必要があります。ただし、生活の必需品の電子レンジや洗濯機といったものまで売る必要はありません。 また、自家用車も住んでいる地域や場所等によって認められる可能性もあります。例えば障害を持っている場合も許される場合がありますがケースワーカー次第となっています。

生活保護の最低生活費とは?

最低生活費とは、日本国憲法で保証されている「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために必要な最低限度の生活費になります。これは厚生労働省が毎年設定している生活費の基準額のことを差しています。 この最低生活費と生活保護受給希望者の収入認定金額を比較して、収入認定金額が少ない場合に、不足分を生活保護費として補おうというのが生活保護の基本になります。

生活保護の扶助は全部で8種類ある

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 葬祭扶助

いくらまでなら働いていいという上限はない

生活保護者は「いくらまで働ける」といった上限額が決められているわけではありません。 生活保護の認定を受けた時点で生活状況に応じた金額が受給出来るようになっています。例えば今まで収入はない状態で、働いて1万円を稼いだ場合は生活保護費用から1万円減って受給出来ると行ったことになります。 但し、控除額といったものがあるため一定の金額であれば収入を上げても問題はありません。

収入申告について

生活保護を受給している場合、アルバイト等を初めて収入を得ることになった場合は必ずケースワーカーに報告する必要があります。 どこで働くか等を雇用内容申請書に記載してケースワーカーに提出する必要があります。また給料を受け取ったら給料明細のコピーを申請書に一緒に添えて提出する必要もあります。 特に給料の明細は給料明細を受け取るたびに毎回提出する必要があります。隠れて働いていた場合でも後日バレてしまい生活保護費をいきなり減額されてしまう可能性がありますので、絶対に隠れて働かないようにしてください。

生活保護費を減額されるのは一部金額のみ

生活保護を受給している場合に収入を得ると全額没収されてしまう、生活保護をごっそり引かれてしまうといったことを聞いたことがあるのではないでしょうか? 実際には生活保護費は一部だけ減額されるだけで働けば収入は増えることになります。 以下は収入と基礎控除の一部を目安になります。
収入金額区分 控除額
0~15,000円 収入額と同額
15,001~15,199円 収入額と同額
15,200~18,999円 15,200円
19,000~22,999円 15,600円
23,000~26,999円 16,000円
27,000~30,999円 16,400円
31,000~34,999円 16,800円
35,000~38,999円 17,200円
実際にはもっと上の金額まで細かく決められていますが、ここでは一例だけを表示させていただいています。

15000円稼いだら収入も15,000円増える!

生活保護の状態でアルバイト等をすると生活保護+収入となり普通よりいい生活が出来るようになります。 例えば上の表を元に例をだすと 1.5万円稼いだ場合:1.5万円増える 3.5万円稼いだ場合:17200円の収入が増える といったことがわかります。つまり、働けばある程度の金額は収入として手に入れることができ、生活保護費+収入となるためある程度生活が楽になります。

生活保護で受けられる他の控除について

生活保護受給者が受けられる控除は収入だけではありません。この控除とはどういうことかというと収入があっても、その収入を一部収入としてカウントしないよといったものになります。 控除には下記の様な控除があります
  • 未成年控除
  • 必要経費(実費控除)

生活保護が受けられる未成年控除について

未成年の子供等が働いてい場合は、基礎控除とは別の控除を受けることができます。控除の金額は月に11,400円となっています。 中学生、高校生のアルバイトも対象となっているため、子供が稼いできた金額も控除の一部としてカウントされて家計の収入が増えることになります。 しかし、逆に考えるとこの控除金額の11,400円よりも稼いでしまうと収入認定されてしまい、生活保護金額を減額されてしまいます。

必要経費(実費控除)

アルバイト等で働くために必要な経費については収入認定から除外をされる控除になります。 例えば、通勤の交通費、年金、健康保険、社会保険料、各種税金、労働組合費など様々な経費が対象となっていますが、もちろん服や靴等は必要経費としては控除はしてくれません。

不正受給にならないようにする方法

生活保護を受け続けるには、収入を得た場合は隠さずに申告する義務があります。この義務を怠ってしまうと、不正受給になってしまい生活保護の受給停止などの処分がくだされてしまいます。 ケースワーカーには必ず申告をしないと厳しいバツをうけることになってしまうため、収入を得たら必ず報告するようにしましょう

収入申告の義務は2つ!

生活保護の受給者の世帯と世帯分離している人を含めて同世帯の人は全員収入をしっかりと申告する必要があります。 例えば「就職先が決まった」「年金をもらうことになった」「子供がアルバイトを初めた」などの収入に関することはすべて報告する必要があります。

働いたとで得た収入は収入申告義務あり!

働いて得た収入とは自営業での収入、給与、賞与等、文字通り働いてもらった収入になります。この際に交通費や社会保険料などの必要経費も報告すれば基礎控除と一緒に控除されて収入金額を下げて登録されます。 また、上にも記載があるように、未成年者が働いて得た収入についても未成年者控除が適用されたり、大学へ進学する際の進学費用についての控除等もうけることができます。 未成年者の場合は様々な未成年者控除や基礎控除等様々な控除があるため、多額の収入がない場合は収入認定として扱われることがありませんが申告をせずに放置していると不正受給として扱われてしまいます。 あとから生活保護費の返却等も請求される場合もありますので必ず申告をしましょう

働かないで得た収入でも報告の義務があります

労働で働いて得た収入以外の収入についても報告する義務があります。例えば年金、財産の売却、遺産等を受け取った等になります。 また注意点として生活保護中に借金をすることも認められておらず、この借金も収入として認定されてしまいます。 子供の大学に通う奨学金等は一部認められる可能性もありますので、ケースバイケースになりますので必ずケースワーカーに報告をしましょう

収入認定されるかどうかはケースバイケース!

働かずに得たお金であっても必ず収入認定されて生活保護費から引かれてしまうといったわけでは有りません。 例を挙げると2020ねの新型コロナウイルスによって全世帯に支給された「特別定額給付金」といったものがあります。 1人10万円といった金額を支給されたものになりますが、これは収入として認定されない費用になりました。 収入認定についてはどういった収入かによってケースバイケースになりますのでケースワーカーに報告し相談することをおすすめします。

生活保護のポイ活は収入認定されない?

生活保護を受給していてる人がポイ活をしたらどうなるのか?ですがポイントの種類によって収入認定になるかならないかが決まります。 具体的には、ポイントには収入認定されない「割引目的のポイント」と収入認定される「贈与目的のポイント」といったものがあります。 割引目的のポイントは、商品を購入したら10%のポイント還元といったポイントになります。贈与目的のポイントはアカウント解説で1000円プレゼントといったポイントになります。

生活保護の不正受給とはなにか?不正受給をすると

生活保護中に収入があり申告を怠っていると不正受給として扱われてしまいます。生活保護をうける際の成約で収入はすべて報告することといった内容があります。 そのため少しでも嘘をついたり隠して収入を得ていると不正受給となってしまい罰則を課されることがあります。 特に意図的に不正受給をしている場合は、生活保護法第85条によれば、不正受給の罰則は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」と定められた法律に違反してしまい最悪の場合逮捕されてしまう可能性があります。 また、本当に悪意があると思われた場合は詐欺として起訴されてより多い罰を受ける可能性もあります。