クレジットカードの任意整理後はどうなる?カードの更新や生活の変化も紹介

クレジットカードの返済が難しくなった方が行う任意整理は、整理後の支払いの変化や生活の影響を考えて慎重に行いたいものです。また、下調べをせずに行ってしまうと生活にどのような影響が起きるか、クレジットカードが無くなった場合どうすれば良いか知ってから任意整理を行いたいですよね。

今回は任意整理の基礎知識や生活への影響、また携帯料金に関することを紹介します。

任意整理とは

任意整理とは債務の返済が難しくなかった方が行う手続きのひとつです。クレジットカードなどの取引開始時にさかのぼって利息を下げて計算し、返済をスムーズにすることを目的に行います。

クレジットカードの任意整理を行うメリット

クレジットカードの任意整理を行うと、金銭面において以下2点のメリットがあります。

長期分離や金利を減らせる

任意整理の一番のメリットは利息を減額できる可能性が生まれることです。過去に大きな買い物を行った時に発生した長期分離や金利を減らして、5年以内に返済できることを見越して返済計画を見直すことができます。

過払い金が戻ってくる可能性がある

過払い金とはクレジットカードのリボ払いなどで生じた返済しすぎたお金(金利)のことをいいます。 先述でもお伝えしたように、任意整理を行うと長期分離や金利を減らせることがありますが、払いすぎた金利(過払い金)が戻ってくることも。 クレジットカードのリボ払いによる利息は一定の金額毎に決められていますが、借金の割合以上の金利が生じます。また、任意整理を行うと「実際の借金額」が可視化されるため、過去に払いすぎた過払い金が戻ってくることもあるのがメリットです。

クレジットカードの任意整理を行うデメリット

任意整理はお金の節約や払いすぎた金利を取り戻すために行うことを考えるために行う方も多いでしょう。しかし、任意整理は以下のようなデメリットが生まれることも踏まえて実施を検討することが大切です。

キャッシングの借金は減額されない

クレジットカードの機能は、買い物の時につかうショッピング機能と、お金の借入を行うキャッシング機能の2種類があります。 任意整理は実際にカードの名義人本人が使用した買い物・借金の金額を減らすものではないため、キャッシングやショッピングの利用金額は減額されません。

信用機関の審査が落ちる可能性が生まれる

クレジットカードは契約時に各社が連携している信用機関に調査を入れてから契約を行います。任意整理後は信用機関に事故情報として情報を登録された後、ブラックリストに入ることも。 信用機関の審査が落ちると5年間は信用回復ができず、ローンや分割払いが組めなくなってしまいます。5年以内のライフプランを踏まえた上で検討しましょう。

クレジットカードカードの任意整理後の生活は?

クレジットカードの任意整理は返済金額が減少する可能性が生まれる代わりに、ローンの組み立てや買い物を行う時、さまざまな影響が生じます。また、生活にきたす支障を事前に知らないまま任意整理を行ってしまうと不便と感じる方もいるのです。 ここからは任意整理後の生活の影響やクレジットカード関連の変化をお伝えしていきます。

既存のクレジットカードは更新or残すことは可能?

任意整理を行ったクレジットカードは強制解約になる可能性が高いと言われています。強制解約になるとクレジットカード自体が使えなくなるため、次回の更新や継続利用ができなくなることを踏まえておきましょう。

新規のクレジットカードは作れる?

任意整理を行なうと各信用機関に事故情報として履歴を登録されるため、クレジットカードは強制解約になるだけではなく、新規作成ができなくなります。 約5〜10年間はブレックリストに登録されることを踏まえて計画を立てましょう。

任意整理したクレジットカードはいつから使えなくなる?

任意整理を行うとクレジットカードは任意整理前から使えなくなります。 任意整理は弁護士がカード会社に受任通知を送付して開始します。受任通知を送付した地点で信用機関に事故情報として報告・登録されるため、受任通知の送付に同意した時点で使えなくなることを視野に入れてください。

携帯料金への影響は?

携帯電話は生活必需品のため、任意整理後に使えなくなると弁護士とのやりとりを行えなくなる方も多いのではないでしょうか。 任意整理時に携帯料金の支払い方法などを変えておくと影響を避けることができます。しかし、分割払いを滞納していたり、現在滞納中の料金を支払ったりしている場合は強制解約になることもあります。

クレジットカードが使えなくなる前に!任意整理前に行うべきこと

近年、キャッシュレス決済が盛んになっていることもあり、任意整理を行った後にライフラインが止まって生活に影響が生じる方も少なくなりません。しかし、任意整理は約半年かけて行うのが一般的なため、やるべきことを忘れてしまうことも。 任意整理を検討している方は以下の3点を確認してプランを立てましょう。

支払を納付書払いor口座振替に変更する

先述でもお伝えしたように、任意整理を行ったクレジットカードは一切利用できなくなります。任意整理前に以下のような支払いは納付書払いや口座振替に切り替えましょう。
  • 公共料金の支払い
  • 携帯料金の支払い
電気やガスなどの公共料金は支払いが延滞すると延滞利息が発生することがあります。携帯料金も同様、強制解約になると今後の契約に影響するため予め支払い方法を変更しておくと安心です。 また、携帯会社が納付書払いや口座振替に対応していない場合は、スマホレンタルへの切り替えを行うのもおすすめです。ブラックリスト入りでも使えることにくわえて、口座振替に対応している会社が多くあります。事前に料金をチェックして乗り換えておくと良いでしょう。

審査が甘いクレジットカードを調べる

手持ちのクレジットカード全てを任意整理にかける、且つ生活の都合上クレジットカードが必要な場合は審査が甘いクレジットカード会社を事前に調べておきましょう。しかし、任意整理後すぐは使えないため以下の方法がおすすめです。 まず、最も手軽でおすすめなのがデビットカードの利用です。デビットカードは専用の銀行口座から自動的に引き落とされるため、使いすぎの心配がありません。残高分が利用枠となるため、計画的にお金を使う習慣がつきます。 しかし、公共料金や携帯会社の中にはデビットカード非対応のものもあるため注意しましょう。 次に、家族が名義人クレジットカードを使うファミリーカードもおすすめとなっています。ブラックリストに入っていない家族であれば安心して利用できます。

任意整理後の支払い例をチェックする

任意整理後の支払いは借金の金額によって異なりますが、弁護士への相談前にシュミレーションを組んでおくと安心できるものです。 900万円の負債を抱えている、且つ利息が10%の場合、以下のような支払い例になります。
支払い例

月額の支払額:20万円→15万円(利息分をカット)

支払総額:1,121万円→900万円(利息分)

上記の場合、約220万円分の利息を減額することができます。債務整理を得意とする弁護士事務所などでシュミレーションを行って計画を立ててみましょう。

クレジットカードの任意整理は事前準備後に行おう

今回はクレジットカードの任意整理を検討している方にむけて、任意整理の概要や整理後の影響にくわえて、任意整理前に行うべきことや支払い例などの基礎知識をお伝えしました。 任意整理は現状の支払い方法や状況を確認しながら行う必要があります。クレジットカードが使えなくなることを踏まえて、公共料金や携帯料金の支払い方法を見直しながら慎重に行いましょう。